前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

注目
2023年10月5日 5時20分

■アダストリア <2685>  3,070円 (-175円、-5.4%)

アダストリア <2685> [東証P]が6日ぶり急反落。3日の取引終了後に発表した9月度の月次売上高で、既存店売上高は前年同月比0.4%増と小幅ながら19ヵ月連続で前年実績を上回ったものの、7月の同19.3%増、8月の同11.2%増に比べて伸び率が鈍化していることが売り材料視されたようだ。月を通し前年と比較して気温が高く、中旬まで夏物が販売の中心となった。秋物商品の立ち上がりは緩やかだったものの、月末にかけて秋物への移行が進んでいるという。なお、全店売上高は同2.4%増だった。

■三菱UFJ <8306>  1,206.5円 (-68.5円、-5.4%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が続急落。そのほか、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]が軒並み安となった。東証の業種別指数の「銀行業」の下落率は4%を超え、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)を上回る下げとなった。3日の米国市場で、米長期金利は4.8%台に乗せるなど上昇を続けた。これを受け4日の円債市場で長期金利は0.785%に上昇。日銀は2日に、当初は予定になかった「残存期間5年超10年以下」の国債買い入れオペを追加し、4日に実施したものの、債券相場の下落(金利の上昇)をとどめるには至っておらず、長期国債先物12月限は午後に下げ幅を拡大し、長期金利は上昇した。金利上昇による利ザヤ改善期待で買われることの多かった銀行株だが、足もとの世界的な金利上昇のペースは速く、市場の一部には保有する債券価格の下落による含み損を懸念する向きもあるようだ。今年3月に、米銀のシリコンバレーバンク(SVB)が破綻したことも投資家の記憶には新しく、海外の金融システムへの影響を巡る警戒もあって、銀行株にも売り圧力が強まったようだ。

■トヨタ <7203>  2,477.5円 (-127.5円、-4.9%)

トヨタ自動車 <7203> [東証P]が大幅続落。世界的な株安局面で前日3日の米国株市場で景気敏感株からハイテク株に至るまで幅広くリスク回避目的の売りが噴出、東京市場でも日経225種採用の主力銘柄群の下げ足が止まらない。そのなか、断トツの時価総額を誇る同社も全体下げ相場を象徴する形で売りがかさんだ。足もとでドル買いの動きが急速に進行し、一時1ドル=150円台に入る円安に振れたが、為替感応度の最も高い同社株に追い風材料として機能していない。同社の24年3月期の想定為替レートは1ドル=125円で、実勢は約25円も円安水準にあることから、輸出採算改善による大幅な利益上乗せが期待されるところ。しかし、一方で中国景気の急減速懸念などを背景に自動車販売が数量ベースで停滞する可能性もあり、押し目買いの動きは限定的となった。

■日経レバ <1570>  17,700円 (-820円、-4.4%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅安で3日続落。1万7000円台をつけるのは今年6月1日以来で約4ヵ月ぶりとなる。前日3日の欧米株市場が全面安で、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅安。米長期金利の上昇を嫌気して売りが止まらない状況で、東京市場でもその影響を受けた。そのなか日経平均に連動する仕組みで組成されたETFで価格変動率が2倍の日経レバは、全体波乱局面で押し目買いの動きが出やすく売買が活発化している。信用取組は直近データで買い残が大幅増加する一方、売り残の減少が顕著となっていた。目先強気に傾いていたが、思惑とは逆の値動きとなった。

■良品計画 <7453>  1,778.5円 (-69.5円、-3.8%)

良品計画 <7453> [東証P]が大幅安で3日続落。3日の取引終了後に発表した9月度の国内売上高情報で、直営既存店とオンラインストアを合わせた売上高は前年同月比0.7%減となり、小幅ながら4ヵ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。全面リニューアルしたスキンケアなど、秋冬の新商品を投入したものの、厳しい残暑が続き、長袖の婦人シャツやニット、寝装具などの販売動向が鈍かった。なお、直営全店とオンラインストアを合わせた売上高は同10.5%増だった。

■東亜建 <1885>  3,540円 (-135円、-3.7%)

東亜建設工業 <1885> [東証P]が大幅続落。3日の取引終了後、連結子会社である信幸建設で、従業員による架空発注などの不正行為があったと開示した。ガバナンス(企業統治)面での問題発覚を懸念した売りが出たようだ。特定の工事下請け業者と共謀し、水増しまたは架空発注を行い、発注額の一部を着服していたという。現在判明した不正行為は複数年にわたり、総額で約7億円。外部の弁護士を委員長とする社内調査委員会による調査を進めている。24年3月期第2四半期の決算発表は11日10日の予定で変更はないものの、調査状況により変更する場合は開示する方針。業績についても影響は限定的としつつ、開示すべき事項が発生した場合は速やかに公表するとした。

■東エレク <8035>  19,360円 (-615円、-3.1%)

東京エレクトロン <8035> [東証P]が大幅安で3日続落。半導体市況の軟化が嫌気されるなかも同社株は5月中旬以降下値切り上げ波動を維持していたが、ここにきて下値リスクが再び意識された。1万9400円近辺に位置する26週移動平均線をサポートラインに下げ止まるかどうかが注目されるが、外部環境的には向かい風が強い。前日3日の米国株市場では米10年債利回りの上昇を背景にNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも大きく下げたが、ここ上昇基調にあった画像処理半導体大手のエヌビディア <NVDA> が売られたのをはじめ半導体セクターの軟調ぶりが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2%を超える下げとなった。東京市場でもこれを受けて同関連株への見送りムードが強まった。

■ファストリ <9983>  31,360円 (-620円、-1.9%)

ファーストリテイリング <9983> [東証P]が3日続落。3日の取引終了後に発表した9月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比4.6%減と3ヵ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。月前半は夏物商品の販売が好調に推移し既存店売上高は増収となったが、月後半は気温が高く推移したことで、秋冬商品の販売に苦戦した結果、全体の既存店売上高は減収となった。なお、客単価は同2.3%増だったが、客数は同6.8%減となった。

■ニトリHD <9843>  15,550円 (-295円、-1.9%)

ニトリホールディングス <9843> [東証P]が7日続落。3日の取引終了後に発表した9月度の月次国内売上高で、既存店売上高は前年同月比2.1%減となり、2ヵ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。テレビCM効果や生活応援キャンペーンなどにより、キッチン用品、ベッドルーム家具の売り上げが好調に推移したものの、気温の高止まりの影響もあって客数が同8.0%減と落ち込んだことなどが響いた。なお、全店売上高は同0.2%増だった。

■Uアローズ <7606>  1,885円 (-32円、-1.7%)

ユナイテッドアローズ <7606> [東証P]が7日続落。3日の取引終了後に発表した9月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比3.5%増と10ヵ月連続で前年実績を上回ったものの、全般相場にツレ安する格好となっている。記録的な残暑の影響はあったものの、メンズではカットソー、シャツなどの秋物軽衣料に加えてパンツ、ジャケット、スーツ、アウターなどの動きが目立ったほか、ウィメンズでもカットソー、ニット、カーディガン、パンツ、スカートなどの秋物中軽衣料の動きが良かった。なお、全社売上高は同1.3%増だった。

■ABCマート <2670>  2,646.5円 (-32円、-1.2%)

エービーシー・マート <2670> [東証P]が続落。3日の取引終了後に発表した9月度概況で、既存店売上高は前年同月比19.3%増と19ヵ月連続で前年実績を上回ったものの、全般相場下落でツレ安する格好となっている。天候が比較的良好だったことから、都心部路面店や商業施設、ショッピングセンターの売り上げが好調に推移した。商品別では、販促を強化したアイテムを中心に、秋物の新作スニーカーやアパレルが好調だった。なお、全店売上高は同19.2%増だった。

※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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