NY株式:NYダウは127ドル高、長期金利低下を好感
米国株式市場は反発。ダウ平均は127.17ドル高の33,129.55ドル、ナスダックは176.55ポイント高の13,236.01で取引を終了した。
民間部門のADP雇用統計9月分で雇用の伸びが予想以上に減速したため連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測後退で安心感が広がり、寄り付き後、上昇。しかし、マッカーシー下院議長の解任を受けた政治的混乱や政府機関閉鎖懸念も根強く上値は限定的となった。また、景気後退懸念も強まりダウはマイナス圏に転落。ただ、長期金利の低下でハイテクが買われナスダックは終日堅調に推移し相場を支援した。ダウもプラス圏を回復し、終盤にかけ上げ幅を拡大し終了。セクター別では自動車・自動車部品やソフトウエア・サービスが上昇した一方で、エネルギーが下落した。
ソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)はメタバース部門の従業員削減計画や生成人口知能(AI)ツール利用を全広告主に拡大したことが好感材料となり、上昇。クルーズ船運営のカーニバル(CCL)、ノルウェージャンクルーズ(NCLH)は原油価格が反落したためコスト上昇懸念が後退し、それぞれ買い戻された。ソフトウエア開発会社のパランティア・テクノロジーズ(PLTR)は英国民健康保険サービス(NHS)と契約締結に近いとの報道を好感し、上昇。
鶏卵業者のカルメイン・フーズ(CALM)は鶏卵価格の下落が影響し、四半期決算で1株利益が予想を下回り、下落。常温保存食製造・販売会社のB&Gフーズ(BGS)は小売り販売の弱い傾向を指摘し、アナリストが投資判断を引き下げ下落した。石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)や再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油価格の下落に連れ収益増期待が後退し、それぞれ下落。大麻・麻製品メーカーのティルレイ・ブランズ(TLRY)は四半期損失が予想以上に拡大し、下落した。
会員性倉庫型卸売り・小売り会社のコストコホールセール(COST)は取引終了後に9月既存店売上4.5%増を発表し、時間外取り引きでも堅調に推移している。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》