NY株式:NYダウは197ドル高、年内の追加利上げ観測後退
米国株式市場は続伸。ダウ平均は197.07ドル高の33,604.65ドル、ナスダックは52.90ポイント高の13,484.24で取引を終了した。
中東の地政学的リスク上昇を警戒した売りに寄り付き後、下落。その後、米ダラス連銀のローガン総裁が長期債券利回りの上昇が利上げの必要性を弱める可能性を指摘したほか、連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長も政策を慎重に進める余地があるとの発言を受けて金利高懸念が後退し、買戻しに拍車がかかった。また、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実行支配するイスラム組織ハマスとの戦闘激化で防衛関連、また、原油高でエネルギー関連が買われ相場を一段と押し上げ。終盤にかけて、上げ幅を拡大し、終了した。セクター別ではエネルギーや資本財が上昇した一方で、家庭・パーソナル用品が下落した。
エンターテインメントのウォルト・ディズニー(DIS)は最近の株価下落を受け、物言う投資家ぺルツ氏が同社の株式保有を増やし、委任状争奪戦を再開させる計画との報道で上昇。ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)はアナリストの投資判断、目標株価引上げで買われた。防衛のロッキード・マーチン(LMT)や(RTX)、総合軍事会社のゼネラル・ダイナミクス(GD)は中東地政学的リスク上昇で需要増観測にそれぞれ、上昇。また、石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)、再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高に伴う増益期待にそれぞれ、上昇した。
一方で、航空会社のデルタ(DAL)やアメリカン(AAL)、ユナイテッド(UAL)イスラエル戦闘下で、運行制限などの混乱を嫌気し、それぞれ売られた。
米ダラス連銀のローガン総裁は利下げを検討するにはかなり時期尚早だと述べた。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》