12日の米国市場ダイジェスト:NYダウは173ドル安、高インフレ長期化を警戒
■NY株式:NYダウは173ドル安、高インフレ長期化を警戒
米国株式市場は反落。ダウ平均は173.73ドル安の33,631.14ドル、ナスダックは85.46ポイント安の13,574.22で取引を終了した。
9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったため高インフレ長期化への懸念に寄り付き後、下落。コア指数は改善したためピーク金利達成に近いとの期待も根強くハイテクはまちまちで推移した。その後、30年債入札の低調な結果を受けて金利が急伸すると相場は大きく下落。終盤にかけて、主要株式指数は下げ幅を拡大し、終了した。セクター別では半導体・同製造装置が小幅高となった一方で、食品・飲料・タバコが下落。
ドラッグストアチェーンを運営するウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は声明を発表し、今月着任する新最高経営責任者(CEO)のコスト削減計画が明らかになり、上昇。ディスカウント小売りのターゲット(TGT)はアナリストが同社の投資判断を引き上げ、上昇した。半導体のクアルコム(QCOM)はコスト削減の一環としてカリフォルニア州の従業員削減計画を発表し小幅高。
自動車メーカーのフォード(F)は自動車労組がストライキを想定外に同社最大で利益率の高いケンタッキーのピックアップトラック工場にまで拡大したことが警戒され、下落。航空会社のデルタ(DAL)は燃料価格の想定以上の上昇を理由に23年度の見通しを下方修正し、売られた。代替肉メーカーのビヨンドミート(BYND)はマクロ経済の悪化が消費に影響すると指摘し、アナリストが投資判断を引き下げ下落。
ボストン連銀のコリンズ総裁は9月CPIの結果で物価安定を達成するには時間がかかることが証明されたと慎重で、追加利上げも除外しない考えを示した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル強含み、米9月CPIの伸びは市場予想を上回る
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は、149円04銭から149円83銭まで上昇し、149円82銭で引けた。9月消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回ったほか、新規失業保険申請件数が予想を下回り労働市場の強さが再確認されたほか、30年債入札も低調だったため米国債相場が反落。長期金利の上昇に伴うドル買いが強まった。
ユーロ・ドルは、1.0627ドルから1.0526ドルまで下落し、1.0529ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)が公表した9月理事会議事要旨で利上げ決定が拮抗した判断だったことが明らかになり、利上げ休止の思惑にユーロ売りが優勢となった。
ユーロ・円は158円46銭から157円67銭まで下落した。リスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2315ドルから1.2172ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9000フランから0.9088フランへ上昇。
■NY原油:弱含みで82.91ドル、ドル高などを意識した売りが入る
NY原油先物11月限は弱含み(NYMEX原油11月限終値:82.91 ↓0.58)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比-0.58ドルの82.91ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは82.31ドル-85.20ドル。米国市場の前半にかけて85.20ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を意識した売りが強まり、一時82.31ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に83ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 26.90ドル -0.12ドル(-0.44%)
モルガン・スタンレー(MS) 77.81ドル -1.09ドル(-1.38%)
ゴールドマン・サックス(GS)309.85ドル -3.17ドル(-1.01%)
インテル(INTC) 36.84ドル -0.04ドル(-0.11%)
アップル(AAPL) 180.71ドル +0.91ドル(+0.51%)
アルファベット(GOOG) 140.29ドル -1.41ドル(-1.00%)
メタ(META) 324.16ドル -3.66ドル(-1.12%)
キャタピラー(CAT) 269.61ドル -3.22ドル(-1.18%)
アルコア(AA) 26.90ドル -1.14ドル(-4.07%)
ウォルマート(WMT) 158.95ドル +0.72ドル(+0.46%)
《ST》