富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整を挟みながら11月高値を指向へ」
◆昨年、一昨年と同様に、日経平均株価は10月序盤に安値を打ち、出直りの動きをみせている。昨年、一昨年に倣えば、今年も11月中旬まで戻り歩調を辿ることが想定される。テクニカル指標のサイコロジカルラインは10月4日の2勝10敗から反転し、日足RCI(順位相関指数)も底打ちしたばかり。9月期末を通過したことで、外国人投資家が買いに転じることも期待される。
◆もちろん、スピード調整を挟むことは想定しておく。10月4日安値の3万0487円から12日高値の3万2494円まで1週間で2007円幅(+6.58%)の急反発はでき過ぎであり、3万2000円~3万3000円のゾーンは厚い節目でもある。
◆市場を取り巻く環境も穏やかではない。中東情勢の緊迫は言うまでもなく、米国の国債が買われて金利が低下したことを株式市場は好感したが、地政学的リスクが一段と高まればリスクオフに傾くことは避けられない。また、米国下院の議長就任が遅れると新年度予算案の協議が停滞し、政府機関の閉鎖懸念が再燃しかねない(つなぎ予算の期限は11月17日)。日本では22日の統一補選で岸田政権の評価が問われる。
◆ただ、日経平均株価の週足をみると、6月高値の3万3772円から3カ月半に及ぶ踊り場を経て、6月高値を抜いて「週足二段上げ」に動き出す可能性は小さくない。そうなれば、次に目指すのは1989年の史上最高値「3万8957円」となる。その意味で、6月高値をどこで奪回するのか楽しみでもある。
(10月12日 記、次回更新は10月21日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース