株価指数先物 【週間展望】 ―米長期金利や中東情勢を睨んでの相場展開に (訂正)

市況
2023年10月15日 17時00分

今週の日日経225先物は、米長期金利の動向や緊迫化する中東情勢を睨んでの相場展開となりそうだ。13日の米国市場ではNYダウが反発したものの、200日移動平均線水準での攻防を見せている。ナスダックは75日線に上値を抑えられて続落し、25日線を下回ってきた。10月のミシガン大消費者態度指数で1年先のインフレ期待が3.8%に上昇し、予想(3.2%程度)を上回ったことでインフレ懸念が再び強まった。また、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突が激化するなか、NY原油先物相場が5.7%超の上昇を見せており、地政学リスクが重荷となっている。

米国が決算発表シーズン入りするなか、JPモルガン・チェース<JPM>が発表した7-9月期決算は市場予想を上回り、一時5.0%ほど上昇する場面も見られた。しかし、金融引き締め長期化懸念や地政学リスクの高まりが重荷となり、1.5%高まで上げ幅を縮めていた。今週はチャールズ・シュワブ<SCHW>やバンク・オブ・アメリカ<BAC>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>などの金融株のほか、テスラ<TSLA>の決算発表が予定されている。決算発表が本格化するなか、主要企業の決算動向は注目されるものの、業績相場には移行しづらそうだ。

また、今週は10月のニューヨーク連銀製造業景気指数、9月の米小売売上高、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数に加えて、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言などが予定されており、これらの内容から年内の利上げの可能性を見極めたいところであろう。先週はFRB高官らの発言を受けて追加利上げ観測が後退したものの、9月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで警戒感が再燃していたこともあり、指標の結果などに神経質になりそうだ。

先週の日経225先物は前週後半からのリバウンド基調が継続し、12日に心理的な抵抗線として意識されていた25日、75日移動平均線を明確に上放れ、一時3万2660円まで買われた。翌13日は利食い優勢ながら両線を上回って終えていたが、取引終了後のナイトセッションで割り込み、節目の3万2000円を下回ってきた。そのため、25日、75日線が位置する3万2100円~3万2200円水準が再び抵抗線として意識されやすく、ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万1450円処への調整を想定しておく必要がありそうだ。

早い段階で3万2000円を回復してくると、ショートを仕掛けづらくさせようが、上値の重さが意識される局面では短期的にショートが入りやすいと考えられる。ボリンジャーバンドの-1σに接近するようだと、先週のリバウンド分を帳消しにする形で-2σが位置する3万790円までの調整が警戒されよう。一方で、3万2000円処で底堅さが見られると、+1σが位置する3万2790円から節目の3万3000円を意識したトレンドが強まりやすいとみられる。

また、このところバリュー株からグロース株へのリバランスが目立っていたが、この流れが継続するか注目される。これを見極める上でも米長期金利の動向がポイントとなる。13日の米国市場の流れから先週までの反動は意識されやすいが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では年内にあと1回の利上げ予想を示したものの、政策決定においては慎重に進めるとしており、次回のFOMCでは利上げは見送られるとの見方がコンセンサスである。そのため、方向性としてはグロース株へのリバランスの動きが継続しやすいとみておきたい。

VIX指数は19.32(前日は16.69)に上昇した。10月4日に付けた20.88から12日には一時15.44まで低下していたが、75日線を支持線とする形で急伸している。一時20.78まで切り上がる場面もあり、週足形状では52週線を上回ってきた。VIX指数の上昇を狙った動きが入りやすくなったため、リスク回避に向かわせそうだ。

なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.98倍に上昇し、一時14.01倍まで切り上げており、8月末以来の水準を回復した。今週は反動が意識されやすいが、14.05倍前後で推移する75日、200日線を捉えてくると、NTショートの巻き戻しが強まる可能性がある。緊迫する中東情勢を背景に持ち高調整も意識されやすく、これまで積み上がっていたバリュー株のポジションを圧縮し、ハイテクなどグロース株を買い戻すリバランスの動きが継続しそうだ。

10月第1週(10月2日-6日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で売り越しており、売り越し額は8963億円(9月第4週は1兆6370億円の売り越し)だった。なお、現物は5262億円の買い越し(同776億円の売り越し)と5週ぶりの買い越しであり、先物は1兆4226億円の売り越し(同1兆5594億円の売り越し)と3週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で4847億円の買い越しで、3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で523億円の売り越しとなり、2週ぶりの売り越しだった。

経済スケジュールでは、16日に8月鉱工業生産確報値、米国10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に8月第三次産業活動指数、米国9月小売売上高、米国9月鉱工業生産、18日に中国7-9月国内総生産(GDP)、中国9月小売売上高、米国9月住宅着工件数、米国地区連銀経済報告(ベージュブック) 、19日に9月貿易統計、中国9月70都市新築住宅価格動向、米国9月中古住宅販売件数、米国9月コンファレンス・ボード景気先行指数、パウエルFRB議長発言、20日に9月全国消費者物価指数(CPI)などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52

12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27

01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71

02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19

03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32

04月限 日経225 28519.43  TOPIX  2019.76

05月限 日経225 29235.08  TOPIX  2090.33

06月限 日経225 32018.38  TOPIX  2211.13

07月限 日経225 32484.24  TOPIX  2245.68

08月限 日経225 32013.86  TOPIX  2278.68

09月限 日経225 32921.39  TOPIX  2370.93

10月限 日経225 32360.91  TOPIX  2326.75

◆日経225先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

23/12 10月13日  32610  32650  32090  32250  -390

23/12 10月12日  31970  32660  31860  32640  +740

23/12 10月11日  31780  32040  31760  31900  +170

23/12 10月10日  31080  31820  30860  31730  +710

◇TOPIX先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

23/12 10月13日  2342.5  2346.0  2302.5  2305.5  -39.0

23/12 10月12日  2308.0  2347.0  2300.5  2344.5  +40.0

23/12 10月11日  2312.0  2320.5  2304.0  2304.5  -1.5

23/12 10月10日  2267.5  2316.5  2255.5  2306.0  +43.0

●シカゴ日経平均 円建て

清算値  前日大阪比

10月13日(12月限) 31885  -365

10月12日(12月限) 32270  -370

10月11日(12月限) 31990  +90

10月10日(12月限) 31820  +90

10月09日(12月限) 31255  +235

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

  売り   前週末比   買い    前週末比

10月06日    823億円  +548億円  7594億円  -4435億円

09月29日    274億円  +263億円 1兆2030億円  -2481億円

09月22日     11億円  +11億円 1兆4512億円  -575億円

09月15日     0億円  -39億円 1兆5087億円  +2063億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比  買い       前日比

10月11日    2265万株   +1092万株  3億3319万株   -365万株

10月10日    1172万株   -1200万株  3億3684万株   -319万株

10月06日    2372万株   +229万株  3億4003万株   -5078万株

10月05日    2143万株   +566万株  3億9082万株   -2385万株

10月04日    1577万株   +326万株  4億1467万株   -3539万株

10月03日    1250万株   +301万株  4億5006万株   -2111万株

10月02日    949万株    +23万株  4億7118万株   -4445万株

09月29日    925万株   -123万株  5億1563万株   -3678万株

09月28日    1048万株   +540万株  5億5242万株   -6654万株

09月27日    508万株   +473万株  6億1897万株   +3551万株      

09月26日     34万株      0株  5億8345万株   +3518万株

09月25日     34万株      0株  5億4827万株   -2476万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)

【2022年】

1月14日  701億円

1月25日  701億円

2月14日  701億円

3月07日  701億円

4月07日  701億円

5月19日  701億円

6月13日  701億円

6月17日  701億円

12月2日  701億円

【2023年】

3月13日  701億円

3月14日  701億円

10月4日  701億円

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