NY株式:NYダウは314ドル高、中東情勢の深刻化懸念が緩和
米国株式市場は上昇。ダウ平均は314.25ドル高の33,984.54ドル、ナスダックは160.75ポイント高の13,567.98で取引を終了した。
政府、同盟国が中東情勢を巡り外交的解決に向けた取り組みを進めていることを受けてさらなる深刻化懸念が後退し、寄り付き後、上昇。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演で、政策金利据え置き支持を再表明したほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁がインタビューで、インフレ鈍化基調を認めたため金利先高観が後退しハイテクも買われた。相場は終日堅調に推移し、終了。セクター別では小売り・運輸の上昇が目立った。
ヨガアパレルのルルレモン(LULU)はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスがS&P500種指数構成銘柄に採用すると発表し、急伸。金融サービス会社のチャールズ・シュワブ(SCHW)は7-9月期決算で、純金利収入が前年同期比24%減となったほか、預金残高が28%減と発表も予想程減少しなかったため健全性への懸念が緩和し、買われた。製薬会社のファイザー(PFE)はコロナウィルス感染症のワクチンおよび飲み薬の2023年度の売上高見通しを引き下げ、しかし、すでに通期業績ガイダンスを引き下げ済みだったため買いに転じた。
一方、バイオのモデルナ(MRNA)はコロナワクチンの売り上げ見通しを維持したものの、ファイザーの発表を受け減少を警戒した売りや、幹部による自社株売却を受けて、下落。携帯端末のアップル(AAPL)は最新アイフォーンの中国販売が低調で前機種を大きく下回るとの調査結果が嫌気され、軟調推移となった。
イエレン財務長官はインタビューに答え、国内経済が強く、高めの金利が長期化する可能性を指摘した。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》