株価指数先物【寄り前】 3万2000円~3万2100円辺りでは強弱感が対立
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 31990 +310 (+0.97%)
TOPIX先物 2294.0 +17.5 (+0.76%)
シカゴ日経平均先物 31960 +280
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。バイデン米大統領がイスラエル訪問を検討していると関係者の話として報じられ、外交的な解決に向けた取り組みへの期待から、地政学リスクが若干和らいだ。主要企業の決算発表が本格化するなか、好決算を期待した先回りの買いも入った。また、米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、政策金利の据え置きを支持する見解を改めて表明し、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの観測も買いを誘った。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、小売、運輸、メディア、保険、耐久消費財・アパレルの強さが目立った。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比280円高の3万1960円だった。日経225先物(12月限)は日中比10円高の3万1690円で始まり、直後に付けた3万1590円を安値に買い戻され、3万1630円~3万1720円辺りでの終値を挟んだ膠着が続いた。ただし、米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて一時3万2050円と節目の3万2000円を回復。買い一巡後は、3万1840円~3万1990円で保ち合い、3万1990円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まることになりそうだ。米国では地政学リスクへの警戒が若干後退したことから、本格化する決算に対する先回りの買いが入ったようだ。NYダウは300ドルを超える上昇で上値を抑えられていた200日移動平均線を突破し、25日線も上回ってきた。ナスダックは25日線が支持線として機能する形で3営業日ぶりに反発。米国市場の上昇を受けて、東京市場は前日の大幅な下げに対する自律反発狙いの動きになりそうだ。
日経225先物は節目の3万2000円での攻防となりそうであり、25日、75日線が位置する3万2000円~3万2100円辺りでは強弱感が対立しやすい。短期的なトレードながら、昨日の大幅な下げによって若干ショートに傾いていると考えられ、ショートカバーを誘う格好でのロングが入りやすいと考えられる。3万2100円水準では戻り待ち狙いのショートが入りそうだが、同水準を明確にクリアしてくると、前日の陰線部分を埋める展開が意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円を中心に、上下の権利行使価格となる3万1750円から3万2375円辺りのレンジを想定する。
VIX指数は17.21(前日は19.32)に低下した。楽観はできないものの、200日線を下回ったほか、52週線を割り込んだことで、ややリスク選好となろう。52週線は18.20辺りに位置しているため、同水準を再び上回らなければ、これまでの下向きのトレンドが継続するとの見方につながりそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.91倍に低下した。先週末には8月末以来の14.00倍台を一時回復したこともあり、米国市場の流れもあって反動安は想定されていた。ただし、寄り付き後は小動きで推移しており、スプレッド狙いの動きは限られていた。週足では13週線が上値抵抗線として意識されているため、同線が位置する13.94倍辺りを捉えてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが再び強まる可能性がある。
株探ニュース