テスラの下げがきつい 引け後の決算への警戒感 粗利益率に注目=米国株個別
(NY時間14:40)
テスラ<TSLA> 243.92(-10.93 -4.29%)
本日はリスク回避の雰囲気と米10年債利回りが2007年以来の水準に上昇する中で、IT・ハイテクといった成長株に売りが強まっている。その中でテスラ<TSLA>の下げがきつい。きょうの引け後に公表される決算への警戒感も出ているものと思われる。
ファンダメンタルズが悪化しているにもかかわらず、投資家は何カ月も同社株を押し上げてきた。きょうの決算はその戦略が試されることにもなる。テスラの第3四半期の利益予想は、需要を喚起するための積極的な値下げを受け、今年に入って50%近く急落している。しかし、株価は同期間に倍増し、時価総額は約4000億ドルに達している状態。
この相反するシグナルは、同社が急拡大する電気自動車(EV)市場での優位性を維持し、自動運転車と人工知能(AI)のリーダーとして台頭することに賭けた結果だ。しかし、同社は利益率が急速に低下していることから、価格競争を繰り広げることで売上成長を維持することの可能性に疑問も投げかけられている。
アナリストからは「同社に関する主な焦点は、納車率が鈍化し、新モデルの収益性が低下した場合、株価が再下落するかどうかにある」との指摘が出ている。今回の決算で注目されるのは自動車部門の粗利益率で、コンセンサス予想によると前年の28%から約19%に低下すると見込まれている。
クレジット規制を除いた第3四半期の自動車部門の粗利益率は期待外れに終わる可能性が高いと見ているが、それは第4四半期には回復するとの見方も伝わっている。
同社のマスクCEOは、「より多くの車両を製造するために利益率を犠牲にすることは理に適っていると述べている。これは、完全な自律走行機能が実現すれば、自動車そのものの価値が飛躍的に高まるとの予想への賭けであり、その結果が出るのは10年以上先のことだとも広く認識されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美