株価指数先物【寄り前】 目先的にはショートが入りやすい需給状況
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 31640 -400 (-1.24%)
TOPIX先物 2270.0 -25.5 (-1.11%)
シカゴ日経平均先物 31640 -400
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米長期金利が約16年ぶりとなる4.9%台まで上昇したことが重荷となった。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済の短期的見通しの安定が確認されたほか、9月の米住宅着工件数が前月比7.0%増とコンセンサスを上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)が高い政策金利を長期的に維持するとの見方が強まった。また、中東情勢の緊張の高まりを背景に、NY原油先物相場が上昇しインフレ懸念が再燃したことも、売りを誘ったようだ。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、エネルギー、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、運輸、素材が下落した。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比400円安の3万1640円だった。日経225先物(12月限)は日中比80円安の3万1960円で始まり、その後は買い戻され、3万2070円とプラスに転じる場面も見られた。ただし戻りは鈍く、再び軟化すると3万1900円~3万1980円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを切り下げており、終盤にかけて3万1590円まで下落幅を広げ、3万1640円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まりそうだ。米国市場は引き続き長期金利の動向に振られやすい需給状況であり、NYダウが再び200日移動平均線を下回ったほか、ナスダックは25日線を割り込んだ。また、前日に米政権による対中輸出規制が嫌気されたエヌビディア<NVDA>は、この日も4%近く下落しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となりそうだ。
決算発表が本格化するなか、ネットフリックス<NFLX>が発表した7-9月期決算は一株利益が予想を上回り、同社株は時間外取引で12%ほど上昇している。半面、テスラ<TSLA>は一株利益が予想を下回ったとして、時間外取引で売られている。主要企業の決算内容を見極めたいとする模様眺めムードが次第に強まりそうである。
日経225先物は、心理的な抵抗線として意識される25日、75日線が位置する3万2100円~3万2200円処で上値を抑えられる格好となった。積極的に仕掛けてくるトレードは限られそうだが、目先的にはボリンジャーバンドの-1σが位置する3万1390円辺りをターゲットとしたショートが入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万1625円を中心とした上下の権利行使価格3万1375円~3万2000円のレンジを想定する。
また、週足ベースでは13週線を明確に上放れることができず、反対に26週線(3万1650円)まで下げてきた。同水準には週足の-1σも位置していることから、底堅さを見極めたい。この水準を明確に下回ってくるようだと、-2σが位置する3万890円辺りが意識されてこよう。
VIX指数は19.22(前日は17.88)に上昇しており、一時20.15まで切り上がる場面が見られた。25日線が上向きで推移するなか、17.27辺りで推移している200日線とのゴールデンクロスが接近していることもあり、上昇が意識されやすいチャート形状である。米長期金利の上昇や中東情勢を巡る地政学リスクが警戒されるなか、リスク回避に傾きやすい局面である。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に低下した。ただし、東京エレクトロン <8035> [東証P]が売り一巡後に上昇に転じるなど、値がさ半導体株の底堅さが見られるなか、ほぼ横ばいでの推移だった。本日もNT倍率の低下は意識されやすいが、13週線が13.93倍辺りで推移していることから、同水準で下げ渋りをみせるようだと、スプレッド狙いの動きは限られよう。
株探ニュース