NY株式:NYダウは250ドル安、根強い追加利上げ観測が重し
米国株式市場は続落。ダウ平均は250.91ドル安の33,414.17ドル、ナスダックは128.13ポイント安の13,186.18で取引を終了した。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長講演を控え、まちまちで寄り付いた。その後、議長が長期債利回りの上昇で利上げの必要性が低下する可能性に言及し金利が伸び悩むと相場は一時上昇。同時に、高いインフレが依然リスクで、経済の強さが続いた場合は追加利上げが正当化されるとの見解を示すなど、利上げ終了が示唆されず長期金利が再び上昇するに連れて警戒感から売りに転じた。終盤にかけて主要株式指数は下げ幅を拡大し、終了。セクタ―別では、電気通信サービスが上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落した。
通信のAT&T(T)は第3四半期決算で通期のフリーキャッシュフロー目標を引き上げ、上昇。カジノを運営するラスベガスサンズ(LVS)は第3四半期決算の内容が予想を上回ったほか、20億ドル規模の自社株買い再開計画を発表し、買われた。航空会社のアメリカン(AAL)は第3四半期決算で1株利益が予想を上回り堅調に推移。また、動画配信のネットフリックス(NFLX)は昨日引け後に発表した決算でパスワード共有対策が奏功し会員数が予想以上に増加したことが明らかになったほか、値上げを示唆したため増益期待に大幅高。地銀のフィフス・サード・バンコープ(FITB)も第3四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り、上昇した。
一方、同業のザイオンズ・コーポレーション(ZION)は預金の減少や純金利収入が予想を下回り、下落。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は第3四半期決算で内容や見通しが予想を下回ったほか、マスク最高経営責任者(CEO)が高金利による消費への影響を警戒した悲観的見解が嫌気され大きく売られた。
鉄道のCSXは取引終了後に決算を発表。内容が予想を下回り時間外取り引きで売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》