株価指数先物【寄り前】 ショートを仕掛けてくる流れに向かわせやすい

市況
2023年10月20日 7時58分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 31250 -150 (-0.47%)

TOPIX先物 2251.0 -11.5 (-0.50%) 

シカゴ日経平均先物 31315 -85

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

19日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は講演で、ここ数カ月のデータを鑑みて追加利上げを実施する可能性は低いと示唆したことから、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退し、NYダウは一時上昇に転じる場面も見られた。ただし、経済活動が予想以上に堅調なため、利上げ終了を表明するには至らなかった。そのため、FRBの金融引き締めが長期化するとの観測は後退せず、米長期金利が再び上昇するなか下落に転じた。S&P500業種別指数は、電気通信サービス、メディア、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、不動産、各種金融が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比85円安の3万1315円だった。日経225先物(12月限)は日中比40円高の3万1440円で始まり、その後は緩やかなリバウンドを見せており、3万1500円~3万1650円辺りでの推移を継続した。パウエルFRB議長の講演を受けて、中盤に3万1730円まで買われた後に3万1500円を下回るなど、荒い値動きが目立った。終盤にかけて軟化し、一時3万1240円まで下落幅を広げており、3万1250円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まることになりそうだ。パウエルFRB議長の講演により、次回のFOMCおよび12月のFOMCにおける利上げ観測は後退した格好となったが、FRBの金融引き締め長期化に対する警戒は根強い。米新規失業保険申請件数は、前週比1万3000件減の19万8000件と予想(21万件程度)を下回り、労働市場が引き続き引き締まった状況である。米長期金利は5.0%に迫るなど上昇の勢いは鈍らず、相場の重荷になりそうだ。

また、前日の取引終了後に決算を発表したテスラ<TSLA>が大きく売られた。時間外取引で4%ほど下げていたが、この日の取引は9%超の下落だった。来週はアルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>、メタ・プラットフォームズ<META>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大手テック企業の決算発表が予定されていることもあり、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードが強まりそうである。

日経225先物はナイトセッションの弱い値動きにより、ボリンジャーバンドの-1σ(3万1310円)を下回ってきた。同水準での底堅さがみられてくるようだと、いったんは自律反発を狙ったロングは期待される。ただし、方向性としては節目の3万1000円のほか、-2σが位置する3万620円辺りがターゲットとして意識されてくる可能性があるため、戻りの鈍さがみられるようだと、短期的にショートを仕掛けてくる流れに向かわせやすいだろう。

そのため、オプション権利行使価格の3万1250円を中心とした上下の権利行使価格3万1000円から3万1500円でのレンジを想定する。国内においても決算発表が本格化してくることから、積極的な売買は手控えられやすくなり、より薄商いの中で仕掛け的な売買に振らされやすい需給状況になりそうだ。

VIX指数は21.40(前日は19.22)に切り上がり、3月半ば以来の水準に上昇した。13週、26週移動平均線とのゴールデンクロスのほか、52週線を明確に上放れてきたため、チャート上ではトレンド転換が意識されやすく、リスク回避に向かわせやすい。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.87倍に低下した。昨日は東京エレクトロン <8035> [東証P]、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の下落影響が大きかった。テスラが一段安となるなか、指数インパクトの大きい値がさ株の弱い値動きにより、NT倍率の低下が意識されやすい。ただし、リスク回避から幅広い銘柄が売られるなかにおいては、TOPIX型の弱さが目立つ可能性もあるため、NT倍率の低下は限られそうだ。

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