話題株ピックアップ【夕刊】(1):西松屋チェ、第一三共、アイスペース
■西松屋チェーン <7545> 1,863円 +238 円 (+14.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
西松屋チェーン<7545>が急騰。全般軟調地合いに抗して大きく上値を伸ばし、5連騰と気を吐いている。ベビー・子ども用アパレルの専門店だが、低価格路線で消費者ニーズを捉え、長きにわたって売り上げ拡大基調を堅持、24年3月期は営業利益も前期比24%増と大幅な伸びを見込んでいる。そうしたなか、19日付の大量保有報告書で旧村上ファンド系の投資会社であるエフィッシモ キャピタル マネージメントが同社の5%超の大株主に浮上(保有株比率は5.63%)したことが判明、株価を刺激する格好となった。
■第一三共 <4568> 4,095円 +516 円 (+14.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
第一三共<4568>が急騰。20日、がん領域での新薬3製品に関し、米メルク<MRK>と全世界での開発及び商業化契約を締結したと発表した。40億ドルの契約一時金と15億ドルの後払い一時金、最大165億ドルの販売マイルストンをあわせ、最大220億ドル(約3兆3000億円)を受け取る。市場はポジティブ・サプライズと受け止め、投資家からの買い注文が殺到した。メルクと契約を結んだ製品は、米国で23年度下期に承認申請を予定する非小細胞肺がんを対象とした「パトリツマブ デルクステカン」と、進展型小細胞肺がんを対象に第2相臨床試験を実施中の「DS-7300」、卵巣がんなどを対象に第1相臨床試験を実施中の「DS-6000」。24年3月期の連結業績への影響は、適切な時期に開示するとした。
■ispace <9348> 847円 +68 円 (+8.7%) 一時ストップ高 本日終値
ispace<9348>はストップ高。経済産業省は20日、「中小企業イノベーション創出推進事業」の採択結果を公表した。そのなかで、同事業のテーマA(月面ランダーの開発・運用実証)の事業者にアイスペースを採択しており、これを受けて同社株に買いが向かった。補助金額の上限は120億円。会社側では、100キログラム以上のペイロードを月面輸送するための新たなデザインのランダー(仮称:シリーズ3ランダー)の開発資金の一部として補助金を充当するという。補助金の受領と業績への計上時期については、交付申請後に経産省と基金設置法人と協議の上、決定する予定としている。
■ベースフード <2936> 591円 +32 円 (+5.7%) 本日終値
ベースフード<2936>は全体相場の軟調地合いに影響される場面があったものの、後場に入って切り返した。同社は19日、初となる国外向け公式ECサイトを香港にオープンし、1食に必要な33種類の栄養素がすべてとれる完全栄養の主食「BASE FOOD」の定期販売事業を開始したと発表。これが改めて材料視されたようだ。「BASE FOOD」は、新型コロナウイルスの影響で一時休止していた香港展開を22年5月から再開。香港最大級のECショッピングモール「HKTV Mall」で販売しており、販売再開から約1年半で累計販売数は20万袋を突破している。今回、同社としては初となる国外向け公式ECサイトを香港でオープンさせたことで、同地域でも公式サイトからの直購入及び継続コース利用による定期購入が可能になったという。
■三和ホールディングス <5929> 2,028円 +103 円 (+5.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
三和ホールディングス<5929>が大幅反発。19日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が従来予想の2740億円から2850億円(前年同期比6.3%増)へ、営業利益が185億円から275億円(同27.9%増)へ、純利益が125億円から220億円(同63.1%増)へ上振れ、減益予想から一転して増益で着地したようだと発表したことが好感された。米州事業で想定以上に売価維持ができたことに加えて、国内事業が堅調に推移したことが要因としている。
■伊藤米久HD <2296> 4,020円 +80 円 (+2.0%) 本日終値
伊藤ハム米久ホールディングス<2296>が後場上げ幅を拡大。正午ごろ、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が従来予想の4550億円から4650億円(前年同期比3.8%増)へ、営業利益が92億円から105億円(同30.6%減)へ、純利益が65億円から75億円(同31.2%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。加工食品の販売数量が想定を上回って推移したことなどが要因としている。
■ライフコーポレーション <8194> 3,550円 +60 円 (+1.7%) 本日終値
ライフコーポレーション<8194>が高い。岩井コスモ証券は19日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに目標株価を3400円から4600円に引き上げた。第2四半期(3~8月)の連結経常利益は前年同期比37.7%増の128億5100万円で着地。独自商品の好調さや価格改定が寄与し、24年2月期の同利益予想205億円(前期比2.4%増)に対する進捗率は63%に達した。同証券では計画超過の可能性は高いとして220億円への増額修正を予想している。
■ID&EHD <9161> 3,325円 +50 円 (+1.5%) 本日終値
ID&Eホールディングス<9161>が高い。午後1時ごろ、経済産業省の令和5年度「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(無人自動運転等の先進MaaS実装加速化のための総合的な調査検討・調整プロジェクト)」を受託し、物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証プロジェクト(見える化・自動荷役等による輸配送効率化)を募集していたが、実施プロジェクトを決定したと発表しており、事業の進捗が好材料視された。同事業は、経済産業省からの委託を受け、荷主や物流事業者と連携して新しいモビリティーサービスの実装を目指して「見える化・混載による輸配送効率化」をテーマに実証実験を行うプロジェクト実施者を募集したもの。三菱重工業<7011>が実施主体となる「IT事業者・保険会社等との連携による運行品質向上モデルの構築」と、NEXT Logistics Japan(東京都新宿区)が実施主体となる「新たな幹線輸送スキームによる省人化、環境負荷低減、働き方改革の実現」が選ばれたとしている。
■サッポロHD <2501> 5,057円 +47 円 (+0.9%) 本日終値
サッポロホールディングス<2501>が反発した。19日の取引終了後、シンガポールの投資ファンドである3Dインベストメント・パートナーズがサッポロHDの株式を5.09%保有していることが明らかとなり、これを思惑視した買いが入ったようだ。3Dインベストメントは「物言う株主」とみなされており、サッポロHDに対して中期経営計画の方向性の修正を求めた過去がある。同日に財務省に提出された大量保有報告書によると、保有目的は「純投資及び状況に応じて、経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。報告義務発生日は10月12日。
■藤森工業 <7917> 3,785円 +15 円 (+0.4%) 本日終値
藤森工業<7917>がしっかり。19日の取引終了後、TOPPANホールディングス<7911>、島津製作所<7701>の2社と共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「バイオものづくり革命推進事業」に対して「細胞性和牛肉の社会実装に係る研究開発」を提案し、実施予定先として採択されたと発表した。3社は2025年を目標に培養肉を提供するための技術開発に取り組み、その後27年度末に2000リットルスケールの大量培養技術を確立するという。更に、社会実装に向けて29年に培養肉製造の事業化、31年に事業収益化を目指すとしている。
株探ニュース