注目銘柄ダイジェスト(前場):ニデック、アドベンチャー、川崎船など
富士急<9010>:4170円(+165円)
大幅反発。前日に上半期業績予想の上方修正を発表している。営業利益は従来予想の36.9億円から48.9億円、前年同期比2.5倍の水準に引き上げ。国内レジャー需要の回復に加え、インバウンド需要の急回復を受け、運輸業、ホテル業などで利用者が順調に推移したもよう。動力費・光熱費、宣伝広告費などの減少も上振れ要因となっている。需要期の順調な収益拡大を確認で、見直しの動きへとつながる格好になっている。
寿スピリッツ<2222>:1952円(-65円)
大幅続落。前日に上半期業績予想の上方修正を発表している。営業利益は従来予想の41億円から66億円、前年同期比2.3倍に引き上げ、市場コンセンサスは62億円程度であったとみられる。第1四半期の大幅増益決算、並びに、同期間の売り上げ状況などは発表済みであることから、ポジティブなサプライズは限定的。足元は株価下落が続いていたことで反発のきっかけにつながるとの期待もあったようだが、当面の出尽くし感が優勢となっている。
ソシオネクスト<6526>:14700円(+390円)
大幅反発。自動運転システムなどに使う次世代自動車向けの半導体チップを開発すると前日に発表している。同社として初めて、3ナノメートル品と呼ぶ最先端品の設計・開発に取り組むことになるもよう。TSMCに製造を委託して2026年から量産を開始するようだ。中期的な業績拡大に貢献していくものとして期待材料視されている。なお、本日の半導体関連株は全般的にみて、SOX指数下落もあって売り先行の展開にはなっている。
川崎船<9107>:4920円(-296円)
大幅続落。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「イコールウェイト」から「アンダーウェイト」に格下げ、目標株価も3100円から3000円に引き下げている。海運業界全般的に、第2四半期決算発表後が利益確定の好機と捉えているもようであり、大手3社ともに「アンダーウェイト」評価としている。さらなる株主還元強化は想定しづらいなどと判断のようだ。同社株に関しても割高感が際立ってきたとしている。
ニデック<6594>:6030円(-670円)
大幅反落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は556億円で前年同期比7.6%増となったが、第1四半期602億円との比較では減益となり、市場コンセンサスの570億円程度も下振れている。e-Axleの開発投資強化などによって、車載グループの営業利益が前四半期比で半減となっている。今後の業績を牽引すると期待されている車載事業の落ち込みをネガティブ視する動きが優勢に。通期業績計画は据え置かれている。
アドベンチャー<6030>:5040円(+305円)
大幅に4日ぶり反発。東海東京調査センターがレーティング「Outperform」、目標株価1万0380円(前日終値4735円)で新規にカバレッジを開始している。同センターは、アドベンチャーが運営する「skyticket」のユーザー数増加に加え、国内・海外航空券のテイクレート(取扱高のうちの旅行事業者の収益割合)にアップサイド余地があること、ホテルやレンタカー等の予約も事業の柱として育ってきていることを注目点として挙げている。
GENDA<9166>:1945円(+85円)
大幅に4日ぶり反発。アミューズメント施設向けのプライズ(景品)卸売事業を展開するアレスカンパニー(千葉県松戸市)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表している。取得価額は非開示だが、直前事業年度末の連結純資産額(23年1月期は112.40億円)の15%を下回る金額という。グループのアミューズメント施設でのプライズ調達拡充のほか、グループでアレスカンパニーに新規取引先を紹介するなどして利益拡大を図る。
グラッドキューブ<9561>:588円(+24円)
大幅に反発。AI開発などを手掛けるworkhouse(東京都江東区)からの事業の一部譲受に関する契約を締結し、事業譲受が完了する見通しになったと発表している。対象事業は、AI開発・運用、受託開発、医療DX開発及び医療サービスに関わる運用、画像解析。譲受価額は4.00億円。基本合意書締結の予定日を9月29日から10月29日に延期していたが、同月23日に事業譲渡契約を締結したことから買い安心感が広がっているようだ。
《ST》