話題株ピックアップ【夕刊】(2):ライフネット、タツモ、ソフトバンクG
■ライフネット生命保険 <7157> 915円 +26 円 (+2.9%) 本日終値
ライフネット生命保険<7157>が堅調。旧村上ファンド系のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントがライフネット株の買い増しに動いたことが23日の取引終了後に明らかとなった。同日に提出された変更報告書によると、保有比率は17.65%から18.03%に上昇した。保有目的は純投資とするものの、エフィッシモの段階的な株式取得を思惑視した買いが株価を支援した。報告義務発生日は10月17日となっている。
■タツモ <6266> 2,952円 +82 円 (+2.9%) 本日終値
タツモ<6266>が全般軟調地合いのなか強さを発揮、5日ぶり切り返し一時150円高に買われ3000円台を回復する場面があった。スマートフォンの販売不振などから半導体メモリー市況の低迷が続いているが、パワー半導体の方は世界的な電気自動車(EV)シフトや再生可能エネルギーの電源用途で陰りない需要が続いている。特に従来のシリコン製ではなく、スイッチング速度や放熱性に優れ大電流化にも対応したSiC(炭化ケイ素)製のパワー半導体が注目されており、今後市場規模の急速な拡大が見込まれている。同社はパワー半導体向け貼合・剥離装置では世界シェア9割という圧倒的な商品競争力を誇っており、SiC製ウエハーにも抜かりなく対応している。パワー半導体の関連有力株として継続的な実需買いを集め、年初から13週移動平均線をサポートラインとした下値切り上げ波動を続けている。
■モリ工業 <5464> 4,085円 +85 円 (+2.1%) 本日終値
モリ工業<5464>が3日ぶりに反発。23日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を450億円から470億円(前期比3.5%減)へ、営業利益を45億円から56億円(同16.8%減)へ、純利益を34億円から40億円(同24.4%減)へ上方修正したことが好感された。上期において、ニッケル市況が下落し材料価格も低下するなか、販売価格が想定よりも下げ止まったことでスプレッドを確保したことが寄与する。なお、業績予想の上方修正に伴い、中間配当を40円から80円へ引き上げた。年間配当予想は170円(前期180円)となる。
■バローホールディングス <9956> 2,237円 +46 円 (+2.1%) 本日終値
バローホールディングス<9956>が3日ぶりに反発。23日の取引終了後、大阪府枚方市に物流センターを新設すると発表したことが好感された。今後の関西エリアへの事業拡大にあわせて、大阪府に物流センターを新設することで円滑な商品供給を図るのが狙いという。稼働は24年10月を予定している。
■ソフトクリエ <3371> 1,720円 +31 円 (+1.8%) 本日終値
ソフトクリエイトホールディングス<3371>が4日ぶりに反発。この日の寄り前に24年3月期の連結業績予想について、売上高を270億円から277億200万円(前期比14.2%増)へ、営業利益を48億5000万円から50億7900万円(同17.5%増)へ、純利益を29億5000万円から31億円(同13.2%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各15円の年30円を予定していた配当予想を各24円の年48円(前期25円)へ引き上げたことが好感された。上期においてECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」や、企業のDX推進や生産性向上のための企業内情報システムサービス「SCクラウド」「X-pointクラウド」などのECソリューション事業及びITソリューション事業が想定以上に拡大したことが要因としている。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,233円 +103 円 (+1.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は前日終値近辺の売り物を吸収し頑強な値動きとなった。前日の米国株市場では英半導体設計大手アーム<ARM>が5%近い上昇で4日ぶりに大きく切り返した。米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>がアームの技術を使って、早ければ2025年にもウィンドウズ向けCPUの設計を開始したとロイター通信が伝えたことが、株価を強く刺激した。この日はフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が軟調だったものの逆行高を演じ、エヌビディアも大幅高に買われた。アームを傘下に置くソフトバンクGの株価もこれに刺激される形となった。ソフトバンクGは前週から調整色を強めていたが、6000円大台ラインを目先下値限界とみた買いが流入している。
■出光興産 <5019> 3,295円 +42 円 (+1.3%) 本日終値
出光興産<5019>が堅調。この日、政府が11月上旬にまとめる経済対策で、高速道路の通勤時間帯割引を毎日24時間に拡大する方針を盛り込むと国内メディアが相次いで報じた。経済対策には、ガソリン補助金制度の延長方針も加わるとみられている。自家用車の利用拡大によるガソリン消費量の持ち直しが石油元売り各社の業績を底上げするとの思惑が広がったようだ。コスモエネルギーホールディングス<5021>が朝安後にプラス転換。ENEOSホールディングス<5020>は売り先行後、押し目買いを集めて下げ渋った。
■サムコ <6387> 4,305円 +35 円 (+0.8%) 本日終値
サムコ<6387>が続伸。今月4日に下ヒゲでつけた安値3895円をターニングポイントにジリジリと戻り足をみせている。同社は化合物半導体(次世代パワー半導体)にフォーカスしたオプトエレクトロニクス分野に強みを持つ研究開発型装置メーカーで、ニッチトップの実力をいかんなく発揮し業績は成長局面に突入している。ナノレベルの膜厚制御性に優れた新型ALD装置「AD-800LP」などが高い評価を得ているが、これに続く新製品の研究開発に鋭意努めており、マーケットでも注目度が高い。今期業績は伸び率こそ鈍化するものの営業利益段階で前期比7%増の19億9000万円とピーク更新が続く見通し。また、会社側では中期的には研究開発型から量産型への軸足シフトで利益成長を確保するスタンスにある。
■サンバイオ <4592> 491円 -93 円 (-15.9%) 一時ストップ安 本日終値
サンバイオ<4592>が一時ストップ安に売られ、上場来安値を更新した。11月6日に開催される厚生労働省薬事・食品衛生審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会の議題が10月23日に公開された。このなかで、外傷性脳損傷に対する治療薬として承認審査を受けている同社の開発品「SB623」が議題に上っておらず、今期中の承認取得シナリオに対する不透明感が意識されたようだ。
株探ニュース