話題株ピックアップ【夕刊】(2):弁護士COM、住友林、日野自

注目
2023年10月26日 15時22分

■弁護士ドットコム <6027>  3,940円  +70 円 (+1.8%)  本日終値

弁護士ドットコム<6027>が反発。同社は25日取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の単独決算を発表。営業利益が前年同期比48.2%増の5億5000万円となったことが好感されたようだ。売上高は同22.2%増の49億4500万円で着地。契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」の新規有料企業数や送信件数がともに順調に伸びたことなどが寄与した。なお、通期業績予想については売上高107億3000万円(前期比23.2%増)、営業利益12億円以上とする従来計画を据え置いている。

■アマノ <6436>  3,109円  +39 円 (+1.3%)  本日終値

アマノ<6436>が底堅い。25日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績に関し、最終利益が計画の42億円から55億円(前年同期比48.5%増)に上振れしたようだと発表した。年間配当予想は5円増額して120円(前期比10円増配)に見直した。全体相場が軟調ななか、これらの発表を評価した買いが株価を下支えしたようだ。9月中間期の売上高は701億円(前年同期比16.0%増)と、計画の637億円を上回る形となったという。コロナ禍後の経済活動の正常化にともなって、パーキングシステムが大幅に伸長した。清掃ロボットが好調に推移したほか、円安効果や原価低減効果も出た。通期の業績予想は据え置いた。

■住友林業 <1911>  3,479円  +29 円 (+0.8%)  本日終値

地合い悪のなか、住友林業<1911>が頑強な動き。25日発表の米国の9月の新築住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)は、前月比12.3%増の75万9000戸だった。市場予想を上回り、1年7カ月ぶりの高水準となった。米国経済の底堅さを示す指標の発表を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化観測が広がり、米長期金利に上昇圧力が掛かった。株式市場は全体ではネガティブな反応をみせているものの、米国で住宅事業を展開する住友林に対しては、金利高局面で新築住宅市場の堅調ぶりが示されたことが見直し買いを誘う要因となったようだ。

■日野自動車 <7205>  530.2円  +2.4 円 (+0.5%)  本日終値

日野自動車<7205>は3日ぶりに小反発した。25日の取引終了後、同社及び米国子会社に対する訴訟を巡り、原告団と和解したことに伴い和解金額2億3750万ドル(約350億円)を24年3月期第2四半期(7~9月)決算で特別損失に計上すると発表した。同社株は安値圏での推移を続けているとあって、発表を受けて下値を探る姿勢は限られた。いったん悪材料出尽くしと受け止めた投資家の買いが株価の支えとなったようだ。米国内で同社製エンジンを搭載した車両の購入者らから、過去の不正行為で損害を被ったとして、訴訟を提起されていた。日野自は業績に及ぼす影響については現在精査中とし、見通しがつき次第、速やかに開示するとした。なお同社は和解にあたり、「原告側の請求について訴状記載の事実を認めたということはない」としている。

■関東電化工業 <4047>  749円  -77 円 (-9.3%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

関東電化工業<4047>は大幅安。25日の取引終了後に24年3月期業績予想の下方修正を発表。売上高を775億円から638億円(前期比18.9%減)へ引き下げたほか、営業損益を45億円の黒字から一転20億円の赤字(前期129億4700万円の黒字)に転落する見通しを示しており、これが嫌気された。半導体メーカーの在庫調整を背景に、半導体用特殊ガス類の販売が計画を下回ると想定。加えて、電気自動車(EV)の一時的な成長鈍化による需給環境の悪化により、電池材料の販売も計画を下回る見込みという。なお、配当予想は年14円の従来計画を据え置く。

■横河ブHD <5911>  2,430円  -214 円 (-8.1%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

横河ブリッジホールディングス<5911>が続急落した。25日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績に関し、最終利益がこれまでの予想の44億円から58億円(前年同期比69.3%増)に上振れしたようだと発表した。売上高は809億円から823億円(同8.3%増)へと計画を上回る格好となったという。半面、受注状況は全体的に低調で、建設コスト上昇などの影響が出ているとしており、今後の業績動向を警戒した売りを促したようだ。上期(4~9月)は橋梁事業とエンジニアリング関連事業の手持ち工事が順調に推移し、精密機器製造事業の落ち込みをカバーした。投資有価証券の売却益も発生した。一方、土木関連事業の大型プロジェクトの進捗は遅延傾向にあり、下期のエンジニアリング関連事業は計画を下回る見通し。通期の業績予想については現在精査中で、10月30日に予定する第2四半期決算発表時に公表するとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,044円  -263 円 (-4.2%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が3日ぶりに大幅安。フシ目の6000円大台を巡る攻防となっている。前日の米国株市場ではナスダック総合株価指数が300ポイントを超える下げで2.4%安となりフシ目の1万3000ポイントを再び下回った。米長期金利上昇を嫌気したハイテク株安が反映されており、米ハイテク株に投資するソフトバンクGにとっては逆風材料となっている。前日の米国株市場で生成AI関連のシンボルストックとして注目度の高いエヌビディア<NVDA>が大きく売り込まれたことも、生成AI分野への資本投下に積極的な姿勢を明示するソフトバンクGにとって風向きが悪い。株式需給面では信用買い残がピーク時からは減少しているものの、高止まりしている状況で戻り売り圧力が拭えない。

■レーザーテック <6920>  24,635円  -1,070 円 (-4.2%)  本日終値

レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連株に売りが優勢の展開。前日の米国株市場では長期金利が再び上昇基調を示したことで、ハイテク株中心に売りがかさみ、そのなかフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が4%を超える急落となるなど半導体セクターの下げが目立った。直近で反騰態勢にあった画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が売り直され大幅安となり、市場のセンチメントが再び悪化している。東京市場でもこの流れを引き継ぐ形で半導体主力銘柄への売りを誘発した。

■日本取引所グループ <8697>  2,897円  -67.5 円 (-2.3%)  本日終値

日本取引所グループ<8697>が後場に下げ幅を拡大した。26日、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業収益は前年同期比10.4%増の733億8500万円、純利益は同35.5%増の314億3200万円となった。同社は9月に通期の業績と配当予想の上方修正を発表している。純利益の通期計画に対する進捗率は58%と順調だったが、7~9月期の純利益の増益率は23%と、4~6月期の47%に比べて鈍化しており、業況に対する慎重な見方が広がったようだ。加えて、同社は株主優待制度の廃止を発表しており、個人投資家の売りを促す一因となったとみられている。日本取引所は継続保有年数に応じ、定時株主総会終了後の毎年6月に1000~4000円分のQUOカードを贈呈する株主優待制度を実施していた。株主の平等性確保の観点から公平な利益還元のあり方について検討した結果、今後は配当などによる利益還元に集約することにしたという。

■IHI <7013>  2,816.5円  -55 円 (-1.9%)  本日終値

IHI<7013>は反落。下落率は一時4%を超えた。25日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想を見直し、これまでの900億円の黒字としてきた営業損益の見通しを800億円の赤字(前期は819億8500万円の黒字)に見直した。赤字転落の予想を嫌気した売りが膨らんだようだ。売上収益は1兆4500億円から1兆3000億円(前期比3.9%減)に見通しを下方修正した。米航空防衛大手のRTX<RTX>傘下のプラット・アンド・ホイットニー(P&W)の航空機エンジン「PW1100G-JM」に関して、出荷済みエンジンの追加検査プログラムにより今後数年間で整備台数の増加が見込まれるなか、同エンジンプログラムに参画するIHIに対しては、補償費用や追加整備費用の発生が見込まれることとなった。また、海外連結子会社で過去に受注した北米のプロセスプラント案件において、工事の遅延に伴う追加費用負担を巡る訴訟の結果、受け取ることとなった和解金が、前期までに収益認識していた金額を下回った。あわせて想定為替レートを1ドル=130円から1ドル=140円に見直しており、これらの影響を業績予想に反映した。

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