株価指数先物【寄り前】 自律反発狙いのロングが意識されやすい

市況
2023年10月27日 8時04分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 30530 -60 (-0.19%)

TOPIX先物 2216.5 -7.0 (-0.31%) 

シカゴ日経平均先物 30585 -5

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

26日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。朝方発表された7-9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率4.9%増と市場予想を上回った。イエレン米財務長官は、ソフトランディングの兆候があるとの認識を示しことから、NYダウは上昇に転じる場面も見られた。しかし、前日の取引終了後に予想を上回る決算を発表し、時間外取引で上昇していたメタプラットフォームズ<META>が売られ、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>など大型テック株に売りが波及する格好となった。前日にはアルファベット<GOOG>の決算が失望されるなど、主要企業に業績不透明感が強まっていた。S&P500業種別指数は不動産、銀行、電気通信サービスが上昇した一方で、メディア、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器が下落した。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比5円安の3万585円だった。日経225先物(12月限)は日中比50円安の3万540円で始まり、その後は3万510円~3万660円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後には一時3万830円まで上昇する場面も見られたが、中盤にかけて軟化し、3万460円まで売られた。終盤にかけては3万600円を挟んだ狭いレンジでの推移となり、3万530円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まることになりそうだ。米主要企業の決算発表が本格化するなか、決算を受けた不安定な状況が目立っている。ただし、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が26日取引終了後に発表した決算は予想を上回り、時間外取引で上昇している。日経225先物はナイトセッションで節目の3万500円を一時下回ったこともあり、自律反発狙いのロングが意識されやすいだろう。

ボリンジャーバンドは下向きで推移しているため、これに沿った調整は警戒されるが、-2σ水準まで下げてきたことでショートカバーは入りやすい。10月5日の直近安値3万300円のほか、200日移動平均線が位置する節目の3万円が意識されているものの、短期的には自律反発を想定したロングでの対応を想定しておきたい。中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒からオーバーウイークのポジションは避けたいところであり、直近で積み上がったとみられるショートをカバーする動きも入りそうだ。

ただし、底入れからリバウンド基調が強まる展開は期待しづらく、積極的なロングは限られよう。節目の3万500円を挟んだ攻防のなか、まずは3万500円水準での底堅さを見極めたいところである。そのため、オプション権利行使価格の3万500円を中心とした上下の権利行使価格である3万375円から3万875円のレンジを想定する。

VIX指数は20.68(前日は20.19)に上昇した。上向きで推移する25日線を支持線としたリバウンド基調が継続しているなかでは、改めてリスク回避姿勢を強めてくる流れにはならないだろう。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.75倍に低下した。支持線として意識されていた25日線を下回ってきており、NTショートに振れやすいところである。ただし、5.0%台に迫っていた米長期金利が4.8%台に低下したほか、アマゾン・ドット・コムの決算評価への思惑から、いったんはNTショートを巻き戻す動きに向かわせる可能性がある。

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