【杉村富生の短期相場観測】 ─いまこそ、GARP戦術を! 優良株を仕込む!

市況
2023年10月29日 9時15分

「いまこそ、GARP戦術を! 優良株を仕込む!」

●セプテンバー&オクトーバー効果!

厳しい相場展開が続いている。この時期(9~10月)は「セプテンバー&オクトーバー効果」(秋の買いは翌春に大きな実りをもたらす確率が高い)と形容されるように、荒れ模様(急落商状)になる。NYダウS&P500指数のパフォーマンスは悪い。ただ、これはいつものことじゃないか。

さらに、今年はウクライナ戦争(ロシア軍の侵攻)の継続に加え、イスラエルとハマスの軍事衝突、きな臭い台湾海峡情勢など地政学上のリスクがある。対応次第によっては深刻な結末をもたらす可能性(テールリスク)があろう。

買い手は乏しい。アメリカ勢は新年度入り(10月)だし、11月はヘッジファンドの決算が控えている。売り方は安心して売りまくっている状況だ。ただ、彼らは開戦の号砲(イスラエル軍の地上戦突入)とともに、ショートポジションの手仕舞いに走る。しかし、マーケットはモヤモヤとした状態を嫌う。

いずれにせよ、この局面において、いたずらに弱気に陥る必要はない。テクニカル的にはほぼ下値に届いている。日経平均株価は10月4日のザラバ安値(3万0487円)割れに抵抗にできるか、否かがポイントだが、この水準自体にはあまり問題はないと思う。ここはむしろ、再び飛び上がるために身をかがめる必然性を感じる。

投資戦術としてはバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>のウォーレン・バフェット氏流のGARP(Growth at a Reasonable Price)作戦が有効だ。すなわち、優良(成長)企業を安いときに買うということ。まさに、現在がそのときだろう。

●逆行高銘柄、12月期決算企業の配当取り!

何を仕込むか。まず、26日(日経平均株価は668円安)に逆行高を演じた銘柄群だ。具体的には山崎製パン <2212> [東証P]、ストレージ王 <2997> [東証G]、アーレスティ <5852> [東証P]、野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証P]など。古来、「暴落日の“赤札”銘柄を狙え」という。

次に、12月期決算企業の配当取りである。レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]は期末に65円の一括配当を行う。ミヨシ油脂 <4404> [東証S]の配当(40円)も期末の一括だ。両社には中間配当制度はない。このタイミングでは魅力だろう。ミヨシ油脂は山崎製パン、日清オイリオグループ <2602> [東証P]が大株主である。

ミヨシ油脂は日経の業種分類では化学に分類されているが、業態は「食品」だ。飲食店、レストラン、ホテル向け製品がメインである。だからこそ、山崎製パン、日清オイリオグループが大株主になっている。これは見直す必要があろう。バター風味のオイルなど面白い商品がある。リオープン関連との見方ができる。

2024年相場を見据え、2025年3月期のチェックは重要な視点だ。2024年3月期はすでに、解析が進んでいる。機関投資家は2025年3月期の業績をベースに銘柄を選定しているという。五洋建設 <1893> [東証P]、三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]などがそうだ。洋上風力発電インバウンドなどの切り口がある。

さらに、日立建機 <6305> [東証P]、三菱重工業 <7011> [東証P]、ファナック <6954> [東証P]、住友金属鉱山 <5713> [東証P]、ローム <6963> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、トリドール <3397> [東証P]などがV字型の浮上をみせる、と期待されている。

2023年10月27日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.