27日の米国市場ダイジェスト:NYダウは366ドル安、ハイテク回復が下支え
■NY株式:NYダウは366ドル安、ハイテク回復が下支え
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は366.71ドル安の32,417.59ドル、ナスダックは47.41ポイント高の12,643.01で取引を終了した。
オンライン小売りのアマゾン(AMZN)や半導体のインテル(INTC)決算を好感しナスダックは上昇した一方、ダウは下落で、寄り付き後、まちまち。その後もダウはマクロ経済への懸念が重しとなり終日軟調に推移。ナスダックは利上げが終了に近づいたとの思惑や決算を好感した買いが続き堅調に推移した。しかし、終盤にかけてイスラエル軍がガザ地上部隊拡大するとの報道を受けて相場は失速、ダウは下げ幅を拡大。ナスダックも上げ幅を縮小し、終了。セクター別では、小売りや半導体・同製造装置が上昇した一方で、銀行が下落した。
オンライン小売りのアマゾン(AMZN)が第3四半期の決算で強い売上を計上したほか、クラウド部門も底入れの兆候が見られ来年の成長期待に引き続き買われた。半導体のインテル(INTC)もPC需要の回復を見込み第4四半期の調整後の1株利益見通しが予想を上回り、上昇。メキシコ料理レストラン運営のチボトレ・メキシカン・グリル(CMG)も決算が好感され、買われた。工具メーカーのスタンレー・ブラック・アンド・デッカー(SWK)は決算で調整後の1株利益が予想を上回ったほか見通し引上げで上昇。
一方で、銀行のJPモルガン(JPM)はダイモン最高経営責任者(CEO)が24年から保有株100万株の売却する計画が当局への届け出で明らかになり、売られた。ビールメーカーのボストン・ビア(SAM)は見通し下方修正が嫌気され、下落。
投資家の恐怖心理をあらわすVIX指数は22.07まで上昇した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル弱含み、米利上げ局面の終了近いとの観測強まる
27日のニューヨーク外為市場でドル・円は、150円07銭から149円46銭へ反落し、149円55銭で引けた。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している米9月コアPCE価格指数が前年比で鈍化基調を維持し利上げ終了に近づいたとの思惑が強まりドル売りが優勢となった。日銀金融政策会合を控え政策修正への警戒感で円買いも強まった。中東情勢激化の思惑も一時緩和したが引けにかけたイスラエル軍地上戦拡大報道を受け懸念が再開しリスク回避の円買いに繋がった。
ユーロ・ドルは1.0535ドルまで下落後、1.0597ドルへ上昇し、1.0569ドルで引けた。ユーロ・円は、158円57銭から157円89銭まで下落した。日銀の政策修正への警戒感やイスラエル軍がガザ地上部隊拡大との報道を受け円買いが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2106ドルから1.2162ドルまで上昇。ドル・スイスは、0.9000フランから0.9035フランまで上昇した。中東情勢悪化懸念の緩和で安全通貨フラン買いも一段落。引けにかけてイスラエル軍がガザ地上部隊拡大との報道でフラン売りも後退。
■NY原油:反発、供給不安強まる
NYMEX原油12月限終値:85.54 ↑2.33
27日のNY原油先物12月限は反発。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比+2.33ドルの85.54ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは83.10ドル-85.90ドル。米国市場の前半に83.10ドルまで売られたが、供給不安が再び広がったことから、通常取引終了後の時間外取引で85.90ドルまで値を上げた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 25.17ドル -0.95ドル(-3.63%)
モルガン・スタンレー(MS) 70.40ドル -1.67ドル(-2.31%)
ゴールドマン・サックス(GS)289.91ドル -7.08ドル(-2.38%)
インテル(INTC) 35.54ドル +3.02ドル(+9.28%)
アップル(AAPL) 168.22ドル +1.33ドル(+0.79%)
アルファベット(GOOG) 123.40ドル -0.04ドル(-0.03%)
メタ(META) 296.73ドル +8.38ドル(+2.90%)
キャタピラー(CAT) 238.56ドル -3.87ドル(-1.59%)
アルコア(AA) 23.51ドル 0.00ドル(0.00%)
ウォルマート(WMT) 161.17ドル -0.60ドル(-0.37%)
《ST》