株価指数先物【寄り前】 ショートに傾いていたポジションのリバランスが強まる

市況
2023年11月2日 8時13分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 31910 +310 (+0.98%)

TOPIX先物 2330.5 +18.0 (+0.77%) 

シカゴ日経平均先物 31855 +255

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

1日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り2会合連続で政策金利を据え置いた。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、今後については「経済データに基づいて注意深く進める」と従来の見解を繰り返しており、金融引き締め長期化への懸念がいったん和らぐ格好となった。会見を受けて米長期金利が低下したほか、10月のADP雇用統計やISM製造業指数が予想を下回ったことも金利低下につながった。

マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>、メタプラットフォームズ<META>など大手テック株のほか、前日の取引終了後に決算を発表し、時間外での反応が鈍かったアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が10%に迫る上昇となるなど、ハイテク株を中心に買われた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディアが上昇した一方で、商業サービス・用品、家庭用品・パーソナル用品、エネルギーが下落した。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比255円高の3万1855円だった。日経225先物(12月限)は日中比50円高の3万1650円で始まり、その後は日中の大幅な上昇に対する反動から軟化し、3万1450円まで売られる場面も見られた。ただし、売り一巡後のリバウンドにより米国市場の取引開始時にはプラスに転じ、3万1600円~3万1740円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れ、3万1910円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。米国市場はFOMC通過で理想的なリバウンドを見せており、ハイテク株を中心に買われた。この流れを引き継ぐ格好から、足もとで不安定な値動きを見せていた指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になるだろう。日経225先物は昨日の大幅な上昇で25日移動平均線を突破し、ナイトセッションでは同線を支持線とした一段のリバウンドで75日線に接近してきた。

75日線は節目の3万2000円辺りとなり、同水準にはボリンジャーバンドの+1σも位置している。10月半ばのリバウンド局面では、+1σに上値を抑えられる形状となったこともあり、強弱感が対立しやすいところではある。また、東京市場は3連休前ということもあって、積極的な売買が手控えられる可能性がありそうだ。ただし、他のテクニカルではパラボリックの陽転シグナル発生が迫っているほか、一目均衡表では遅行スパンの上方シグナル発生が接近している。

節目の3万2000円回復で、いったんは達成感が意識されやすいものの、シグナル好転によってショートは仕掛けづらく、押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。また、急ピッチで水準を切り上げていることから、来週末のオプションSQに向けたヘッジ対応のリバランスも入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万1750円から3万2250円のレンジを想定する。

VIX指数は16.87(前日は18.14)に低下した。前日に25日線を下回ったが、この日は200日線を割り込み、75日線水準まで下げてきており、リスク選好からショートに傾いていたポジションのリバランスに向かわせやすいだろう。

昨日のNT倍率は先物中心限月で13.66倍に低下した。方向性としては9月28日に付けた13.55倍がターゲットになるが、米国市場でのハイテク株主導の上昇の流れにより、日経平均型優位の展開が見込まれる。そのため、NTショートを巻き戻す動きが入りやすいと考えられ、NTロングによるスプレッド狙いになりそうだ。

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