後場に注目すべき3つのポイント~トヨタら円安恩恵企業業績が下支え

市況
2023年11月2日 12時24分

2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は続伸、トヨタら円安恩恵企業業績が下支え

・ドル・円は軟調、米引き締め期待の一服で

・値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位は東エレク<8035>

■日経平均は続伸、トヨタら円安恩恵企業業績が下支え

日経平均は続伸。352.83円高の31954.48円(出来高概算8億9047万株)で前場の取引を終えている。

1日の米国株式市場のダウ平均は221.71ドル高(+0.67%)、S&P500は44.06ポイント高(+1.05%)、ナスダック総合指数は210.23ポイント高(+1.64%)とそれぞれ上昇した。ADP雇用統計が予想を下回り、長期金利の低下に伴って買い優勢の展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り、政策金利据え置きを2会合連続で決定した。パウエルFRB議長も警戒されたほどタカ派姿勢を表明せず、終盤にかけ上げ幅を拡大した。米株高の流れを引き継ぎ、日経平均は前日比385.37円高の31987.02円と2日連続で大幅上昇スタートとなった。ただ、明日から国内は3連休となることで利益確定売りも出やすく、前場は節目の32000円を意識した攻防となった。

個別では、前日から続伸のトヨタ自動車<7203>をはじめ、日産自<7201>、日野自<7205>らが堅調。そのほか、ぐるなび<2440>、デクセリアルズ<4980>、オルガノ<6368>、アドバンテスト<6857>なども値上がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは、三菱食品<7451>、テーオーHD<9812>、東証グロースではアマナ<2402>、ベルトラ<7048>、マイクロアド<9553>などが上昇した。

一方、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>など鉄鋼セクターが下落。TIS<3626>、テイカ<4027>、レック<7874>、ヤマハ<7951>、ケーズHD<8282>などが値下がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは安永<7271>、三共生興<8018>、カンダ<9059>、日本テレホン<9425>、東証グロースではファンデリー<3137>などが下落した。

セクターでは、輸送用機器、電気機器、サービス業を筆頭に上昇。一方、鉄鋼、その他金融業、鉱業を筆頭に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は49%、対して値下がり銘柄は48%となっている。

日米の金融イベントは波乱なく通過し、決算関連に目線が集中する形となっている。円安効果で市場予想を上回るトヨタが本日も続伸となっており、円安で恩恵を受ける輸出企業は改めてスポットがあたっている。財務省が10月に為替介入を実施しなかったことを公表し、ドル・円は一時1ドル=151円台に突入し、上値を試す展開となっている。神田財務官の円安けん制発言を受け、やや円高方向に戻したものの、下値は1ドル=150円台にかたまりつつあり、日経平均にとっては下支えとなりそうだ。

また、昨日発表された10月ADP雇用統計では市場予想を下回る結果となり、明日発表の米雇用統計も9月のような雇用市場の過熱感を示唆するような結果とはならない公算が大きい。中東情勢についても報道を追う限り戦線拡大など最悪な事態は想定しづらい状況にあり、外部要因への懸念は一旦あく抜けとなりそうだ。後場は引き続き利益確定売りが出やすいと思われるが、来週のSQ週に向けて終値で32000円台に乗せてくるか注目したい。

■ドル・円は軟調、米引き締め期待の一服で

2日午前の東京市場でドル・円は軟調地合いとなり、150円93銭から150円07銭まで値を下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を受け、一段の引き締めへの期待は後退。米10年債利回りの低下に伴い、ドル売りが主要通貨を押し上げた。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は150円15銭から150円93銭、ユーロ・円は159円07銭から159円60銭、ユーロ・ドルは1.0569ドルから1.0602ドル。

■後場のチェック銘柄

・アマナ<2402>、アクアライン<6173>など、3銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位は東エレク<8035>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・日・10月マネタリーベース:前年比+9.0%(9月:+5.6%)

・豪・9月貿易収支(予想:+67.86億豪ドル、8月:+96.40億豪ドル)

【要人発言】

・パウエルFRB議長

「物価安定無くして、経済は機能しない」

「政策は引き締め」

「経済活動は強いペースで拡大」

「FOMCは政策を慎重に進める」

「インフレ改善には成長や雇用の減速が必要となる可能性」

「政策が完全に引き締まっているかどうかまだ確信を持てない」

「労働市場は引き続きひっ迫」

「委員会は利下げを巡り、検討も協議もしていない」

「問題は追加利上げをすべきかどうか」

<国内>

特になし

<海外>

・16:30 スイス・10月消費者物価指数(前年比予想:+1.7%、9月:+1.7%)

《CS》

提供:フィスコ

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