話題株ピックアップ【夕刊】(3):スズキ、レーザーテク、パイロット
■スズキ <7269> 6,211円 +190 円 (+3.2%) 本日終値
スズキ<7269>が急反発し、年初来高値を更新した。7日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。今期の売上高予想を5兆円から5兆2000億円(前期比12.0%増)、最終利益予想を2100億円から2400億円(同8.5%増)に引き上げた。最終利益は減益予想から一転、過去最高を見込む。業況を評価した買いが集まったようだ。円安効果や売上構成変化のプラス影響などを反映した。四輪の世界販売台数見通しは前回の予想から7000台増やして318万8000台(同6.3%増)に修正。半面、四輪の世界生産台数の見通しは4万6000台引き下げて332万9000台(同3.7%増)に見直した。中間配当は従来の予想から5円増額し55円(前期の中間配当比5円増配)で決定した。一方、これまで50円としていた期末配当予想については、世界情勢が不透明だとして未定に改めた。23年4~9月期の売上高は前年同期比15.6%増の2兆5644億円、最終利益は同12.4%増の1293億4800万円だった。
■レーザーテック <6920> 28,295円 +715 円 (+2.6%) 本日終値
レーザーテック<6920>は売り買い交錯のなかも上値指向、2万8000円台に歩を進めた。半導体市況の回復が想定より遅れてはいるものの、スマートフォンの販売不振の影響一巡から市況底入れ期待が高まっており、米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の戻り足が顕著だ。東京市場でも半導体主力株への波状的な資金流入が観測されるが、そのなか圧倒的な売買代金をこなす同社株は他の半導体関連とは値動きがやや異なっている。信用枠を使った個人投資家の短期資金による売り買いが活発で、需給相場の様相もみせる。直近11月2日現在の信用取組は買い残が減少する一方、売り残が増加し、信用倍率は0.85倍と売り長となっている。
■パイロット <7846> 4,541円 -756 円 (-14.3%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
パイロットコーポレーション<7846>が大幅安。7日取引終了後に発表した1~9月期決算は、営業利益が前年同期比5.8%減の148億2600万円となった。通期で増益を見込んでいるだけに、業績を懸念した売りが広がったようだ。売上高は同4.9%増の882億5100万円だった。インバウンドやノベルティー需要の回復を背景にステイショナリー用品が伸びたほか、米国市場でボールペンの販売が堅調となり増収を確保した。一方、利益面では積極的な広告投資や人材投資の実施、物価高騰による労務費の増加などが響き減益を余儀なくされた。なお、通期の増収増益見通しは据え置いている。
■ライオン <4912> 1,284円 -159 円 (-11.0%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
ライオン<4912>がマドを開けて売られ年初来安値更新。7日の取引終了後に1~9月期決算を発表。売上高は前年同期比3.5%増の2960億9700万円だったものの、営業利益が同44.1%減の125億1200万円と大幅減で着地しており、これが嫌気された。大型新製品の投入やインバウンド需要を背景に主力の一般用消費財が伸びたほか、海外事業も好調で売上高は増加した。一方、利益面では競争費用の増加や本社移転に伴う費用の発生などが響いた。通期の増収減益見通しは据え置いている。
■東海カーボン <5301> 1,045円 -128 円 (-10.9%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
東海カーボン<5301>が大幅続落。7日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、売上高を4100億円から3630億円(前期比6.6%増)へ、営業利益を450億円から340億円(同16.2%減)へ、純利益を260億円から200億円(同10.8%減)へ下方修正したことが嫌気された。黒鉛電極事業における鉄鋼市況の軟調や競争の激化、ファインカーボン事業における半導体市況の回復の遅れなどが響くとしている。なお、第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高2676億7500万円(前年同期比8.7%増)、営業利益297億4900万円(同6.2%増)、純利益213億7500万円(同32.6%増)だった。
■サンケン電気 <6707> 6,987円 -713 円 (-9.3%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
7日に決算を発表。「今期経常を22%下方修正」が嫌気された。
サンケン電気 <6707> [東証P] が11月7日大引け後(15:00)に決算を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比99.3%増の167億円に拡大した。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の360億円→280億円(前期は272億円)に22.2%下方修正し、増益率が32.2%増→2.8%増に縮小する見通しとなった。
■新日本科学 <2395> 1,698円 -173 円 (-9.3%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
7日に決算を発表。「上期経常が37%減益で着地・7-9月期も40%減益」が嫌気された。
新日本科学 <2395> [東証P] が11月7日大引け後(15:00)に決算を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比36.6%減の37.5億円に落ち込んだが、通期計画の71.8億円に対する進捗率は52.3%に達し、5年平均の46.2%も上回った。
■新東工業 <6339> 982円 -100 円 (-9.2%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
7日に決算を発表。「今期経常を16%下方修正」が嫌気された。
新東工業 <6339> [東証P] が11月7日大引け後(16:00)に決算を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比97.3%増の29億円に拡大した。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の76億円→64億円(前期は39.5億円)に15.8%下方修正し、増益率が92.4%増→62.0%増に縮小する見通しとなった。
■カヤバ <7242> 4,145円 -415 円 (-9.1%) 本日終値 東証プライム 下落率10位
7日に決算を発表。「上期最終が23%減益で着地・7-9月期も45%減益」が嫌気された。
カヤバ <7242> [東証P] が11月7日大引け後(16:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結最終利益は前年同期比23.0%減の81.7億円に減り、通期計画の200億円に対する進捗率は40.9%となり、前年同期の39.0%とほぼ同水準だった。
■三洋貿易 <3176> 1,242円 -115 円 (-8.5%) 本日終値
7日に決算を発表。「今期経常は13%減益、前期配当を1円増額・今期も43円継続へ」が嫌気された。
三洋貿易 <3176> [東証P] が11月7日大引け後(16:00)に決算を発表。23年9月期の連結経常利益は前の期比13.5%増の71.4億円に伸びたが、24年9月期は前期比13.3%減の62億円に減る見通しとなった。同時に、前期の年間配当を42円→43円(前の期は40円)に増額し、今期も43円を継続する方針とした。
■フレクト <4414> 3,840円 +700 円 (+22.3%) ストップ高 本日終値
フレクト<4414>がストップ高。同社はクラウドサービスを活用し企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を行っている。企業のデジタル化投資需要は旺盛で足もとの業績は絶好調に推移している。7日取引終了後に24年3月期上期(23年4~9月期)決算を発表、営業利益は前年同期比5.2倍の2億4300万円と急拡大した。同社は経営戦略として「攻めのDX」を打ち出しており、顧客接点の変革、サービス商品の変革、ビジネスモデルの変革に取り組んでいる。そのなか、新規顧客獲得と既存顧客の取引拡大を同時に実現し好業績に反映させている。また、ターゲット顧客の中小企業に重心を置き、契約数も323件と過去最高を更新している。これを評価する形で上値を見込んだ買いが集中した。
■ヘリオスTH <6927> 465円 +80 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値
ヘリオス テクノ ホールディング<6927>がストップ高。同社は7日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の7億円から11億3000万円(前期比2.7倍)に引き上げた。売上高予想も102億円から104億円(同30.2%増)に上方修正。ランプ事業及び製造装置事業で出荷の前倒しや早期納入が実現していることに加え、利益面では販管費の削減が寄与するとしている。また、期末一括配当を従来計画比17円増額の25円(前期は8円)とすることもあわせて明らかにしている。
●ストップ高銘柄
サンウッド <8903> 1,130円 +150 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
エフテック <7212> 615円 -150 円 (-19.6%) ストップ安 本日終値
内海造船 <7018> 4,230円 -1,000 円 (-19.1%) ストップ安 本日終値
ホリイフードサービス <3077> 398円 -80 円 (-16.7%) ストップ安 本日終値
など、3銘柄
株探ニュース