話題株ピックアップ【夕刊】(3):NOK、三井E&S、シャープ

注目
2023年11月9日 15時15分

■NOK <7240>  1,903.5円  +108 円 (+6.0%)  本日終値

NOK<7240>が3日ぶりに急反発した。8日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益の見通しを188億円から221億円(前期比65.9%増)に引き上げた。投資有価証券売却益が寄与する。また、取得総数700万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.04%)、取得総額100億円を上限とする自社株買いの実施も発表しており、材料視されたようだ。一方、売上高予想は7352億円から7317億円(同3.1%増)、経常利益予想は342億円から339億円(同27.6%増)に下方修正した。シール事業の売上高見通しと、電子部品事業の営業利益見通しの引き下げが響く。

■三井E&S <7003>  435円  +23 円 (+5.6%)  本日終値

三井E&S<7003>が3日ぶりに大幅反発した。8日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想の修正を発表した。営業利益の見通しは100億円から120億円(前期比28.0%増)、最終利益の見通しを30億円から50億円(同67.9%減)に引き上げており、見直し買いを集めたようだ。上期(4~9月)に舶用推進システム部門においてアフターサービス事業が好調に推移した。円安効果に加え、下期にアフターサービスや新造工事の順調な進捗が見込まれるとして、利益面での影響を織り込んだ。今期の売上高の見通しは据え置いた。

■フジテック <6406>  3,573円  +182 円 (+5.4%)  本日終値

8日に決算を発表。「上期経常が65%増益で着地・7-9月期も75%増益」が好感された。

フジテック <6406> [東証P] が11月8日大引け後(17:00)に決算を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比64.8%増の107億円に拡大し、通期計画の155億円に対する進捗率は69.1%に達し、5年平均の47.2%も上回った。

⇒⇒フジテックの詳しい業績推移表を見る

■ピーエス三菱 <1871>  825円  +40 円 (+5.1%)  本日終値

ピーエス三菱<1871>は後場急伸。この日、大成建設<1801>がPS三菱に対し、連結子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOB価格は1010円。今回のTOBに関する一部報道を受けて、東京証券取引所はPS三菱の売買を午後2時から午後2時45分まで停止した。売買再開後のPS三菱の株価はTOB価格にサヤ寄せする形となっている。同社の上場は維持される方針としている。

■丸一鋼管 <5463>  3,788円  +180 円 (+5.0%)  本日終値

丸一鋼管<5463>が3日ぶりに急反発し、年初来高値を更新した。8日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、経常利益の見通しを330億円から358億円(前期比4.0%増)に引き上げた。減益予想から一転、経常増益の計画となった。年間配当予想は12円50銭増額し、122円50銭(同13円増配)に見直しており、これらが株価の支援材料となった。北米の売上高と営業利益の見通しを引き上げた一方、日本国内の売上高見通しは引き下げた。連結全体の今期売上高予想は2735億円から2700億円(同1.2%減)に修正している。

■ソフトバンク <9434>  1,742.5円  +54 円 (+3.2%)  本日終値

ソフトバンク<9434>は5日ぶりに切り返しを鮮明としている。前週後半から決算発表を前に五月雨(さみだれ)的な売りが出て下値を探る展開にあったが、きょうは満を持して反発し1749円50銭まで買われた。直近4営業日で下げた分の約3倍の戻り足をみせている。同社が8日取引終了後に発表した23年4~9月期決算は最終利益が前年同期比29%増の3021億4100万円と好調だった。主力の通信事業で値下げの影響が一巡したほか、メディア・EC事業の採算も改善している。市場コンセンサスを上回る決算内容で、これを評価する買いを呼び込む形となった。同社株は配当利回りが高いことも個人投資家資金を引き寄せる背景となっている。

■セーレン <3569>  2,351円  +51 円 (+2.2%)  本日終値

セーレン<3569>が続伸した。8日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、自社株買いの実施を発表した。取得総数120万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.2%)、取得総額30億円を上限に、11月9日から24年5月8日の間に自社株を取得する。通期の業績予想も見直した。売上高の見通しを1350億円から1400億円(前期比5.8%増)、最終利益の見通しを102億円から111億円(同0.7%増)に引き上げた。国内向けの車両資材事業の回復や為替効果を業績予想に反映した。最終利益は減益予想から一転、増益を見込む形となり、これらを好感した買いが入ったようだ。

■日清食HD <2897>  13,850円  +280 円 (+2.1%)  本日終値

日清食品ホールディングス<2897>が後場一段高。1万4000円台に乗せて新値街道をまい進する。9日、24年3月期の通期業績と配当予想の上方修正を発表したことが株価の水準切り上げにつながった。今期の売上収益の見通しを7100億円から7200億円(前期比7.6%増)に引き上げた。また、425億~445億円としていた最終利益予想は535億~555億円(同19.5~24.0%増)にレンジを見直した。年間配当予想は40円増額して200円(前期比60円増配)とした。国内では非即席めんが堅調に推移する。海外では米州地域を中心に価格改定による損益改善が進んでおり、影響を業績予想に織り込んだ。

■福山通運 <9075>  3,590円  -430 円 (-10.7%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

福山通運<9075>が急落。8日の取引終了後、24年3月期業績予想について売上高を2956億円から2872億円(前期比2.1%減)へ、営業利益を193億円から115億円(同46.2%減)へ下方修正すると発表。これが嫌気され売られている。経済活動正常化に伴う貨物輸送量の回復が想定以上に遅れているため。あわせて、記念配当を実施することを明らかにした。従来計画の年70円に記念配5円を上乗せする。同時に発表した4~9月期決算は売上高が1412億2900万円(前年同期比2.8%減)、営業利益が62億3700万円(同46.6%減)だった。

■シャープ <6753>  893.1円  -105.7 円 (-10.6%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

シャープ<6753>が大幅安。8日の取引終了後に4~9月期決算を発表。売上高が前年同期比7.9%減の1兆1582億円、営業損益が前年同期の黒字(10億1700万円)から58億6100万円の赤字に転落して着地しており、これを嫌気した売りが出ている。国内の白物家電の大幅な減収やスマートフォン向けパネルの需要低迷、パソコン市況の回復遅れなどが影響した。また、液晶パネル製造子会社の堺ディスプレイプロダクト(SDP)関連の利益減少も響いた。通期の小幅増収、営業黒字見通しは据え置いた。

■ヴィンクス <3784>  1,666円  +365 円 (+28.1%) ストップ高   本日終値

ヴィンクス<3784>とサイバーコム<3852>、サイバネットシステム<4312>、富士ソフトサービスビューロ<6188>がストップ高に買われた。8日の取引終了後、富士ソフト<9749>が各社に対し、非公開化を目的に株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表。株価はTOB価格にサヤ寄せする形となっている。4社は富士ソフトの子会社で、TOB価格はヴィンクスが2020円、サイバーコムが1905円、サイバネットが1095円、富士ソSBが615円。TOB成立後は所定の手続きを経て上場廃止となる見込み。富士ソフトは親子上場の解消とともに、事業の相乗効果の発揮を目指す。東京証券取引所は同日、ヴィンクスとサイバーコム、サイバネット、富士ソSBを監理銘柄(確認中)に指定した。

●ストップ高銘柄

サイバーコム <3852>  1,568円  +364 円 (+30.2%) ストップ高   本日終値

シミックHD <2309>  2,600円  +500 円 (+23.8%) ストップ高   本日終値

富士ソSB <6188>  534円  +98 円 (+22.5%) ストップ高   本日終値

サイバネットシステム <4312>  1,011円  +180 円 (+21.7%) ストップ高   本日終値

など、9銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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