10日の株式相場見通し=反落、米株安受け利食い優勢に
10日の東京株式市場は強弱感対立のなかも主力株中心に利益確定の売りに押される展開が予想され、日経平均株価は反落しそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて高かったが、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上値の重い展開を強いられ、取引後半に売りがかさみ値を崩す格好となった。この日はパウエルFRB議長の国際通貨基金(IMF)のイベントで行った講演内容が注目されたが、パウエル氏は2%のインフレ目標に向けて現状は十分に引き締め的か確信しているわけではないとし、更なる引き締めの可能性を否定しなかったことで、マーケットはこれを嫌気する形となった。米長期金利の上昇がグロース株には逆風となり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は直近まで9日続伸していたものの10連騰はならなかった。東京市場では、前日に日経平均が先物主導で後場に上げ足を強め約480円の上昇をみせたが、きょうは目先筋の利益確定売りを誘発する公算が大きい。日米金利差拡大を背景に外国為替市場ではドル高・円安方向に振れており、輸出セクター中心に株価の下支え材料となる可能性もあり、日経平均は下値抵抗力を発揮するケースも考えられる。
9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比220ドル33セント安の3万3891ドル94セントと続落。ナスダック総合株価指数は同128.966ポイント安の1万3521.448だった。
日程面では、きょうは株価指数オプション11月物の特別清算指数(SQ)算出日にあたる。また、10月のマネーストック、9月の特定サービス産業動態統計など。海外では豪中銀の四半期金融政策報告書、7~9月期英GDP(速報値)、10月米財政収支、11月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。