来年の米利下げ幅は市場予想の4倍近くとの指摘も
FRBは来年に、政策金利を合計2.75%ポイント引き下げるとの見方がストラテジストから出ている。短期金融市場が織り込んでいる0.75%ポイントの約3.5倍となる。
継続的なインフレ鈍化によりFRBは早ければ来年3月にも利下げを開始する可能性があるという。それは緩和サイクルでは典型的とされる大幅刻みになる可能性が高く、今回がそれほど特異となる条件は見当たらないとしている。インフレは急速に正常化しつつあり、3月に入る頃には非常に高水準になっているであろう実質金利にFRBは目を向けると見ているようだ。
同ストラテジストは政策金利が24年末までに2.50-2.75%に低下と見ており、25年初期までには1.25%まで低下の可能性もあるという。この予測は米経済が来年第2四半期までにリセッション(景気後退)に陥るとの見方に基づく。
日本を除くG10中銀が過去30年間に行った利下げサイクルを例に取り、政策金利は15カ月の間に平均で3.20%ポイント引き下げられたという。今回もそのシナリオになると考えており、日本を例外として、どの中銀も市場が織り込むよりも大幅な利下げを実施するだろうと述べた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美