話題株ピックアップ【昼刊】:サムコ、日産自、日本製鉄
■サムコ <6387> 4,875円 +265 円 (+5.8%) 11:30現在 東証プライム 上昇率5位
サムコ<6387>が大きくマドを開け一時400円を超える上昇で一気に5000円台に乗せてきた。時価は9月中旬以来約2カ月ぶりの高値圏に浮上している。研究開発型の電子デバイス製造装置メーカーで、化合物半導体分野でニッチトップの実力を有する。プラズマCVD装置やALD装置、ドライエッチング装置、ドライ洗浄装置などいずれも高い商品競争力を有するが、最近はナノレベルの膜厚制御性やカバレッジ性で優位性を持つ独自開発の新型ALD装置「AD-800LP」に対する評価が高い。会社側ではこれに続く新商品開発も鋭意進めている状況にあり今後が注目されている。24年7月期営業利益は前期比7%増の19億9000万円を予想しているが、保守的とみられ上振れる可能性もある。
■日産自動車 <7201> 609.7円 +17.2 円 (+2.9%) 11:30現在
日産自動車<7201>が急反発。三菱自動車工業<7211>が堅調に推移している。仏自動車大手のルノーが15日、EV(電気自動車)の新会社「アンペア」について、2024年前半に上場させる計画を発表した。アンペアには日産自と三菱自が出資している。上場によるアンペアの成長と、次世代自動車関連での収益貢献を期待した買いが日産自と三菱自の株価を押し上げたようだ。アンペアはあわせて、25年の売上高を100億ユーロ以上、31年の売上高を250億ユーロ以上とする成長目標を掲げた。
■日本製鉄 <5401> 3,343円 +29 円 (+0.9%) 11:30現在
日本製鉄<5401>の上値指向が鮮明、きょうで6連騰となり上値抵抗ラインとなっている75日移動平均線との下方カイ離を急速に縮めている。ここ最近は米長期金利の急低下を背景に日米でグロース株への投資マネー還流が観測され、相対的にバリュー株にとって風向きの悪い地合いとみられているが、バリュー系の代表格である同社株は前週後半を境に底入れ気配となっている。粗鋼生産の国内トップで生産技術は世界でも屈指だが、足もとでは業績先行きへの不透明感が警戒されていた。鉄鋼市況は世界的に低調で、特に中国の景気減速に伴う需要減退懸念と鉄鉱石などの原料コスト上昇の同時進行が、株価の上値を押さえていた。しかし、同社株のPERは7倍強でPBRは0.6倍台と割安感が際立つほか、今期減配予想ながらも4.5%近い配当利回りが着目されている。中国も経済対策効果が今後は期待されることで、市場関係者からは「鉄鋼セクターも今見えている悪いシナリオは株価にほぼ織り込んだ」という見方も出ている。
■三菱UFJ <8306> 1,266円 +7 円 (+0.6%) 11:30現在
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクは強弱観対立も頑強な値動き。前日は日経平均株価が800円を超える上昇で今年最大の上げ幅を記録したが、メガバンク3社の株価は揃って下落となった。FRBによる政策金利の引き上げが終了したとの思惑や、植田日銀総裁の金融政策に対するハト派姿勢を受け、足もと運用環境改善に対する期待が後退している。目先はバリュー株からグロース株への資金シフトが観測されていることも、低PBRで配当利回りを買いの根拠としてきた銀行セクターには向かい風となっている。ただ、メガバンク各社の23年4~9月期決算はいずれも好調であり、ファンダメンタルズ面ではポジティブで下値を拾う動きも活発。75日移動平均線をサポートラインに意識した押し目買いで下値抵抗力を発揮している。
■ライフネット生命保険 <7157> 951円 -27 円 (-2.8%) 11:30現在
ライフネット生命保険<7157>が4日ぶりに反落した。15日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。最終利益は前年同期比91.9%増の27億5900万円となった。大幅な最終増益となったが、通期の計画に対する進捗率は48%にとどまった。保険サービス損益の上期の進捗率も50%を下回っている。業況に対する慎重な見方が広がり、株価の重荷となったようだ。auじぶん銀行の住宅ローン利用者に向けた団体信用生命保険の提供を7月から開始し、保有契約年換算保険料は増加した。
■INEST <7111> 73円 +20 円 (+37.7%) 11:30現在
15日に発表した「プレミアムWと資本業務提携」が買い材料。
プレミアムウォーターホールディングス <2588> と資本業務提携。プレミアムWを割当先とする4137万9400株の第三者割当増資を実施する。発行価格は58円。
■ヘッドウォータース <4011> 9,350円 +1,500 円 (+19.1%) ストップ高 11:30現在
ヘッドウォータース<4011>は前日のストップ高に続き、きょうも投資資金の流入が顕著で株価水準を切り上げている。人工知能(AI)を活用したソリューションビジネスを手掛けており、生成AI分野にも積極的に踏み込み存在感を示している。15日取引終了後、オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするレッドハットのReady Businessパートナーに認定されたことを発表、今後コラボレーションに伴う主なサービス拡充分野として、エッジコンピューティングやハイブリッドクラウドを挙げており、業容拡大への期待が高まった。これを手掛かり材料に新たな買いを呼び込んでいる。
■ジャストプランニング <4287> 346円 +35 円 (+11.3%) 11:30現在
ジャストプランニング<4287>は急伸し一気に年初来高値更新。15日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これを手掛かりに買われている。取得上限は100万株(自己株式を除く発行済み株数の7.85%)、または3億円。期間は11月16日から来年10月31日まで。
■ジェイ・イー・ティ <6228> 4,725円 +395 円 (+9.1%) 11:30現在
ジェイ・イー・ティ<6228>に物色人気集中。株価は5日続伸となり、この間に30%も株価水準を切り上げている。9月25日に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄で、TOKYO PRO Marketからの上場ということもあってマーケットで注目を集めた経緯がある。半導体洗浄装置の開発・設計、製造・販売及びアフターサービスをワンストップで手掛け、業績は20年12月期以降、売上高、利益ともに目を見張る急成長を続けている。セカンダリーでは当初は需給的な売り要因で下値を切り下げる展開を余儀なくされたが、10月下旬以降は売り物が切れ、機関投資家とみられる実需買いが活発化するなど手替わりが利いた形で急速に戻り相場へと移行した。きょうは上場初日につけた高値4585円を払拭し青空圏に突入している。
■インバPF <5587> 1,717円 +138 円 (+8.7%) 11:30現在
Wi-Fi端末のレンタルを手掛けるインバウンドプラットフォーム<5587>が切り返し急。旅行予約サイトや宿泊事業を展開するアドベンチャー<6030>が大幅高となっている。日本政府観光局が15日発表した今年10月の訪日外客数(推計)は251万6500人となり、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準となる2019年同月の水準を初めて上回った。このところ安値圏で推移していた中小型のインバウンド関連株に対しては、割安感を意識した個人投資家による押し目買いの姿勢が散見される。壽屋<7809>が高く、ロイヤルホテル<9713>や旅工房<6548>が堅調に推移する。
■サイエンスアーツ <4412> 612円 +47 円 (+8.3%) 11:30現在
サイエンスアーツ<4412>が3日続伸している。同社は15日取引終了後、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の警備及び防災活用に用いるIP無線アプリとして、ライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」を提供すると発表。これが材料視されているようだ。バディコムは、インターネット通信網を利用して、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバーや無線機のように複数人と同時コミュニケーションを可能にするサービス。同社では大阪・関西万博での活用事例を皮切りに、警備及び防災現場で働く129万人に活用してもらえるように開発と販売を行うとしている。
■GEI <9212> 742円 +53 円 (+7.7%) 11:30現在
Green Earth Institute<9212>に物色人気が集中している。15日の取引終了後、住友林業<1911>と資本・業務提携し、木材を原料に化学品や燃料を作る木質バイオマス化学品の研究開発に着手すると発表。これが材料視されている。木材の主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンを分離する技術を確立し、各成分の有効利用を含む新規事業の立ち上げを目指す。住友林がToSTNeT-1でGEI株を90万株(発行済み株数の7.98%)取得する。あわせて、筆頭株主の地球環境産業技術研究機構から相手方を指定したToSTNeT-1による取引でGEI株を売却するとの報告を受けたことを明らかにした。これにより、同機構の保有株数は180万株から90万株に低下するという。
■ブラス <2424> 703円 +50 円 (+7.7%) 11:30現在
ブラス<2424>は大幅続伸。15日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが買い材料視されている。取得上限は30万株(自己株式を除く発行済み株数の5.5%)、または2億円。期間は11月16日から来年4月22日まで。
■寺岡製作所 <4987> 610円 +39 円 (+6.8%) 11:30現在
寺岡製作所<4987>は大幅高。旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスが15日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、寺岡製株の保有割合が5.78%と新たに5%を超えたことが判明。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。報告義務発生日は11月8日。寺岡製は現在、1株564円でMBOを実施している。買い付け期間は10月31日から12月13日まで。シティインデックスイレブンスの大量保有判明を受け思惑的な物色が入っているとみられ、足もとの株価はMBO価格を上回って推移している。
■ロボペイ <4374> 2,479円 +156 円 (+6.7%) 11:30現在
ROBOT PAYMENT<4374>が続急伸した。15日の取引終了後、10月度の月次売上高が前年同月比35.0%増の2億500万円となったと発表。大幅な増収基調の継続を好感した買いが入ったようだ。請求管理ロボの売上高は同38.3%増の7800万円、サブスクペイの売上高は同34.0%増の1億2500万円とともに大きく伸びた。加えて同社は16日、請求管理ロボにおいて、請求書と関連帳票の同時送付を可能とするファイル添付機能をリリースしたと発表している。
●ストップ高銘柄
マリオン <3494> 2,372円 +400 円 (+20.3%) ストップ高買い気配 11:30現在
エフ・コード <9211> 1,780円 +300 円 (+20.3%) ストップ高買い気配 11:30現在
ペルセウス <4882> 549円 +80 円 (+17.1%) ストップ高 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
Waqoo <4937> 2,230円 -500 円 (-18.3%) ストップ安売り気配 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース