NY株式:NYダウは45ドル安、消費の先行き不安が重し
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は45.74ドル安の34,945.47ドル、ナスダックは9.84ポイント高の14,113.67で取引を終了した。
ディスカウント小売のウォルマート(WMT)など主要小売企業の悲観的な消費見通しを警戒した売りに寄り付き後、下落。消費の鈍化懸念がくすぶりダウは終日、軟調に推移した。ナスダックも需要鈍化懸念が重しとなり、上値の重い展開となったが、長期金利の低下が支援し終盤にかけてプラス圏を回復。ダウも下げ幅を縮小し、終了した。セクター別では、保険やソフトウエアサービスが上昇した一方、食・生活必需品小売が下落。
百貨店のメーシーズ(M)は四半期決算で消費者の引き続き慎重な姿勢が影響し減収が続いたが、コスト削減や値引き解消が奏功し調整後の1株利益が予想を上回り上昇。半導体のインテル(INTC)はアナリストの投資判断引き上げ上昇した。オーディオ製品のデザイン、開発・生産を手掛けるソノス(SONO)は四半期決算で調整後の1株損失が警戒されたほど悪化せず、さらに自社株買い計画やヘッドフォーン市場参入期待に買われた。また、料理関連用品販売会社のウィリアムズ・ソノマ(WSM)は四半期決算で1株利益や見通しで営業利益率が予想を上回り、上昇。
ディスカウント小売のウォルマート(WMT)は四半期決算で、10月末に売り上げが急減し消費の先行きに不安を表明したため警戒感に売られた。同業のダラー・ツリー(DLTR)や会員制倉庫型卸売り・小売り会社のコストコホールセール(COST)も消費鈍化懸念に連れ安。また、中国の電子商取引大手のアリババ(BABA)はクラウド事業部門の分離計画中止を発表し、大幅下落した。
取引終了後に四半期決算を発表した廉価アパレルのロス・ストアーズ(ROST)は1株利益が予想を上回ったほか、通期の1株利益見通し引き上げで、時間外取引で買われた。衣料小売りのギャップ(GPS)も予想を上回る結果が好感され、買われている。半導体関連のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は強い決算にもかかわらず当局による犯罪捜査報道が嫌気され、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》