前日終値付近でもみ合う展開/後場の投資戦略
日経平均 : 33422.93 (-1.48)
TOPIX : 2374.39 (+5.77)
[後場の投資戦略]
今日の東京株式市場は売りが先行した。さえない値動きとなった米主要株価指数を横目に、外為市場では1ドル=150円60銭台と昨日15時頃と比べて円高・ドル安に振れたことが、輸出株などの買いを手控える要因となった。一方、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)などが小幅ながら上昇したことが、ハイテク株の株価を支えた。また、昨日の日経平均が前場に安値をつけた後は下げ渋ったことから、本日の下値も堅く、前場中ごろにはプラス圏に浮上した。その後は決算発表一巡で手掛かり材料に乏しい中、前日終値付近でもみ合う展開となった。アジア市況では、香港ハンセン指数及び上海総合指数がともに軟調に推移している。
WTI原油先物価格は一時1バレル=72ドル台と、7月の水準まで大幅に下落した。OPECとその同盟国による供給抑制にもかかわらず、アメリカの原油の在庫が増加傾向にあることに加えて、中国経済をはじめ世界経済が減速して原油の需要が落ち込むとの見方が広がっているようだ。また、イスラエルとハマスの戦闘が近隣地域の紛争に拡大し、中東からの原油供給を危うくするとの懸念は現状大きく影響していない。インフレ再燃にもつながりかねない原油価格の動向には、引き続き注目しておきたいところだ。さて、後場の日経平均は引き続きこう着感の強い値動きになりそうだ。決算発表の一巡による手掛かり難から、中小型の材料株にも物色意欲が高まってくる可能性があろう。(山本泰三)
《AK》