日経平均は反発、売り一巡後は切り返してプラス圏に浮上/ランチタイムコメント

市況
2023年11月29日 12時10分

日経平均は反発。41.93円高の33450.32円(出来高概算6億9638万株)で前場の取引を終えている。

前日28日の米国株式市場のダウ平均は83.51ドル高(+0.24%)と反発。アドビ集計のデータによるとサイバーマンデーで1日の売上高として過去最高を記録したことが報じられ、相場を押し上げた。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が利下げの可能性に言及すると、期待感を受けた買いにも拍車がかかった。ただ、7年債入札が不調に終わると金利先安感が後退し失速、終盤にかけて上げ幅を縮小。ナスダックも反発、堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は163.96円安の33244.43円と3日続落して取引を開始した。その後は、前場中ごろからプラス圏に転換している。

個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの半導体関連株、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、サイバーエージェント<4751>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、TOWA<6315>、アサヒ<2502>なども上昇した。ほか、前日に続いて買い優勢の展開となっているさくらインターネット<3778>が大幅上昇、グローセル<9995>、オーケストラ<6533>、チェンジホールディングス<3962>などが値上がり率上位となった。

一方、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や日本郵船<9101>などの海運株が軟調に推移。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、ソニーG<6758>、三菱重工業<7011>、アドバンテ<6857>、ホンダ<7267>、JT<2914>なども下落した。ほか、第三者割当増資やCB発行による希薄化を嫌気されたそーせいグループ<4565>が急落、ジャステック<9717>、サンリオ<8136>、名古屋銀行<8522>などが値下がり率上位となった。

セクターでは、サービス業、輸送用機器、精密機器などが上昇率上位に並んでいる一方で、銀行業、海運業、鉄鋼が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は37%、対して値下がり銘柄は60%となっている。

今日の東京株式市場は売りが先行した。前日の米主要株価指数は上昇したが、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が下落しており、東京市場で半導体関連株などの株価の重しとなった。また、外為市場で1ドル=147円10銭台と円高・ドル安水準となったことが、輸出関連株などの買い手控え要因となった。そのほか、アジア市況では、香港ハンセン指数や上海総合指数がともに軟調に推移している。ただ、FRBのウォラー理事の発言や米長期金利が低下したことが市場の安心感にもなっており、前場中ごろには下げ幅を縮小してプラス圏に浮上した。その後、上げ幅は限定的となっている。

さて、後場の日経平均はプラス圏を維持できるか。米国では、タカ派の代表格の一人であるウォラー理事に加えて、ボウマンFRB理事は米利上げサイクルに言及した。インフレ減速が停滞すれば利上げを支持する意向は変わらないとしながらも、来月の利上げ支持の表明には至っておらず、追加利上げに以前よりも控えめなコメントとなった。そのほか、米資産家のビル・アックマン氏は2024年1-3月にも利下げがあり得ると指摘した。近く利下げを始めなければハードランディングの現実的リスクがあると考えているようで、有識者の発言には今後も注目しておきたいところだ。ひとまず、日米で市場に影響が大きい経済・労働統計の発表スケジュールもなく、手掛かり材料難のなか、NY市場をにらんだもみあいの展開を想定しておきたい。(山本泰三)

《AK》

提供:フィスコ

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