ファーフェッチが急反落 損失への懸念が逆に深まる=米国株個別
(NY時間11:23)
ファーフェッチ<FTCH> 1.14(-0.97 -45.95%)
英アパレルサイトのファーフェッチ<FTCH>が急落。前日は午後になって買いが強まったが、きょうはその反動が出ている。英テレグラフ紙が創業者のネヴェス氏が非公開化の可能性について銀行家や大株主と交渉中だと報じたことが材料視されていた。また、同社は本日予定していた第3四半期決算の発表を見送り、2024年度のガイダンスも撤回した。そのことがまた、思惑を呼び込んでいたが、きょうの市場は冷静に状況を見守っているようだ。
一方、リシュモンはファーフェッチの少数株主持分を取得し、ファーフェッチのプラットフォームを利用する代わりに、自社のeコマース事業であるYNAPの約半分を売却することに合意している。この取引はまだ完了していない。リシュモンはファーフェッチの非公開化について「金銭的な義務はなく、融資や投資も考えていない。状況を注意深く見守っている」と述べていた。
アナリストからは「ファーフェッチが第3四半期決算を発表せず、ガイダンスも撤回したことは今年の損失が深まり、財務が不安定になるリスクを高めるものであり、同社の事業が多過ぎ、薄く広がり過ぎているというわれわれ見解を裏付けている。財務上の苦境は、ガイダンスの撤回と非公開化の検討に関する報道によって証明された」との指摘も出ている。
【企業概要】
英国内外の消費者向けに、高級ブランドのファッションを取扱うグローバルECサイトのデザイン・構築・運営を行う。デジタルテクノロジーを用いたグローバル流通ソリューション・在庫管理、およびビジネス管理を支援するツールを提供する。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美