利下げを見込むもFRBはインフレ期待を再度引き起こさないよう細心の注意を払う
本日はデーリー・サンフランシスコ連銀総裁やウィリアムズNY連銀総裁の発言が伝わっていたが、いづれも利下げには否定的な見解を示していた。デーリー総裁は「いまは利下げは全く考えていない」と述べたほか、ウィリアムズ総裁は「政策はかなり長い間制限的であり続けるだろう」と述べている。FOMC委員は利下げに否定的で明日のパウエルFRB議長の講演も発言があるとすれば、同様の内容になると見られている。
一方、市場は逆の反応を示しており、FRBは来年の夏までに3回程度の利下げを行うと予想している。その辺は今後の経済指標が答えを出してくれるであろうが、市場の期待通りに利下げが実施されたとしても、FRBはインフレ期待を再度引き起こさないよう細心の注意を払うと考えられているようだ。その場合、米国債利回りはしばらくレンジ内で取引され、10年債のピークは5%だが、4%は下回らない水準で推移すると見ている。かなり慎重に利下げに踏み切るだろうから、10年債利回りは現在が底値圏にあると思われるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美