はてな---1Q増収、テクノロジーソリューションサービスの売上高が2ケタ増
はてな<3930>は30日、2024年7月期第1四半期(23年8月-10月)決算を発表した。売上高が前年同期比4.1%増の8.01億円、営業損失が0.02億円(前年同期は0.47億円の利益)、経常利益が同77.1%減の0.14億円、四半期純利益が同78.5%減の0.09億円となった。
コンテンツプラットフォームサービスの売上高は前年同期比17.6%減の0.90億円となった。主力サービスの「はてなブログ」の登録ユーザー数は順調に増加した。一方、個人向け有料プラン「はてなブログPro」などは、各種SNSの普及による競争激化も相まって、契約件数や投稿数の減少や、広告単価の下落傾向が依然として継続していることもあり、課金売上は低調に推移した。法人向けの「はてなブログBusiness」は、堅調に推移した。有料課金サービスについては、個人・法人向け問わずに機能拡充を図りながら、契約件数を着実に積み上げ、広告収入以外の収益基盤を育成してきた。アドネットワーク広告については、検索流入の減少や、広告単価の下落などを要因として、売上は伸び悩んだ。
コンテンツマーケティングサービスの売上高は同8.5%減の1.64億円となった。「はてなブログMedia」は、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げてきた。フルサービスを提供する「レギュラープラン」はもとより、廉価版の「ライトプラン」、採用マーケティングの一環として、素早く安価にオウンドメディアを立ち上げられる「採用オウンドメディアプラン」を新たな軸として、サービス訴求してきた。また、人材関連企業による代理販売を通じて新たな顧客にアプローチした結果、新規導入のメディア数が増加した。その結果、「はてなブログMedia」の運用数合計は147件(前年同期比14件の増)となった。一方で、一部の個別案件において、広告・マーケティング予算が縮減されたことによる広告出稿の手控えにより、継続的な受注に至らず、厳しい販売環境となった。
テクノロジーソリューションサービスの売上高は同13.7%増の5.46億円となった。マンガビューワ「GigaViewer for Web」は、合計15社、搭載累計21サービスとなった。マンガビューワ「GigaViewer for Apps」は、うち1サービスに搭載され、Web版、アプリ版の両輪により、売上は堅調に推移した。利便性や広告運用を含めたソリューションは、顧客から評価されている。受託サービスについては、複数の受託開発案件で成果物の納品及び検収が完了した。また、前年度より開発中の「大型マンガアプリ開発案件」は、期初計画に沿って推移しており、当該進捗度の見積りに基づき、一定期間にわたり収益認識している。保守運用サービスについては、運用案件数の積上げにより、売上成長に繋がった。「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、国内企業で初めて取得している。また、「AWS Partner Network(APN)Award2019」において、「Mackerel(マカレル)」を通じたAWSへのビジネス貢献が評価され、「APN Technology Partner of the Year 2019 - Japan」を受賞している。更に、AWSのパートナー制度「AWS Graviton Ready」においても同様に、国内企業で初めて認定を取得している。これにより、AWSの中で、サーバー監視サービスとしての認知度が向上し、更なる導入実績の積上げを図ることができた。
2024年7月期通期の業績予想については、売上高が前期比9.6%増の34.52億円、営業利益が同72.3%減の0.48億円、経常利益が同73.6%減の0.48億円、当期純利益が同66.7%減の0.33億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》