話題株ピックアップ【夕刊】(1):さくらネット、タムロン、西武HD
■さくらインターネット <3778> 1,927円 +136 円 (+7.6%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
さくらインターネット<3778>が大幅続伸し年初来高値を更新した。米半導体大手エヌビディア<NVDA>のジェンスン・フアンCEOが岸田首相との面会後の記者団の取材で、日本電信電話<9432>やNEC<6701>、ソフトバンク<9434>、さくらネットなどの日本企業と連携して生成AIの研究開発を加速させる考えを示したことが4日伝わった。これが材料視され買われた。
■タムロン <7740> 4,680円 +200 円 (+4.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
タムロン<7740>が4日続伸。4日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、売上高を710億円から722億円(前期比13.8%増)へ、営業利益を125億円から131億円(同18.7%増)へ、純利益を94億円から99億9000万円(同19.6%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を90円から135円へ引き上げたことが好感された。第3四半期までの業績が好調に推移したことに加えて、各事業分野における足もとの販売動向などを織り込んだとしている。なお、年間配当予想は170円(前期120円)となる予定だ。
■西武ホールディングス <9024> 1,893円 +69.5 円 (+3.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
西武ホールディングス<9024>やJR東日本<9020>、富士急行<9010>など電鉄株が堅調。地合い悪のなか東証業種別指数の「陸運業」はプラス圏で推移する。外国為替市場でドル円相場は足もと1ドル=147円台前半と、ドル安・円高の進行に一服感が出ている。円安基調の継続によるインバウンド需要の押し上げ効果が期待されるなか、5日に総務省が発表した11月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)で、「宿泊料」は前年同月比62.5%の上昇となり、10月(42.6%)から伸び率は高まった。旺盛な宿泊需要を裏付ける結果となっており、ホテル関連を含む事業環境への前向きな見方を広げたようだ。JR東海<9022>や京浜急行電鉄<9006>なども堅調に推移する。
■住石ホールディングス <1514> 806円 +25 円 (+3.2%) 本日終値
住石ホールディングス<1514>が反発。4日の取引終了後に福岡財務支局に提出された変更報告書で、麻生(福岡県飯塚市)の保有割合が41.28%から42.84%に上昇したことが判明しており、需給思惑的な買いが入ったもよう。保有目的は安定株主として長期にわたり保有する予定としており、報告義務発生日は11月27日としている。
■TOPPAN <7911> 3,636円 +79 円 (+2.2%) 本日終値
TOPPANホールディングス<7911>が底堅い。日本経済新聞電子版が4日夜、「TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)は3月末に経営破綻したJOLED(ジェイオーレッド)の能美事業所(石川県能美市)を買収した」と報じた。半導体パッケージ基板の生産や開発拠点として活用するとしており、将来的な収益貢献を期待した買いが株価を下支えしたようだ。報道によると、取得した工場では「FC─BGA」と呼ばれる基板を生産。データセンターのサーバーや生成AI用の半導体向けなどに需要が伸びると判断したという。買収額や設備投資額は明らかにしていないとしている。
■コーセー <4922> 10,860円 +225 円 (+2.1%) 本日終値
コーセー<4922>や資生堂<4911>、ポーラ・オルビスホールディングス<4927>など化粧品株がしっかり。関西国際空港の新国際線エリア内で、総合免税店「KIX DUTY FREE」がこの日、オープンした。日本の空港では最大規模の免税店となる。訪日観光客による化粧品消費の拡大を期待した買いが入ったようだ。店内では香水・化粧品と酒、たばこ、菓子類の4ジャンルに分かれ、空港免税店初登場となる日本の老舗酒造メーカーを含め、話題性のあるブランドや商品を取り扱っているという。
■戸田建設 <1860> 865.7円 +16.1 円 (+1.9%) 本日終値
戸田建設<1860>が反発。SMBC日興証券が4日付で投資評価を「2」から「1」へ、目標株価を840円から980円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、6月の株主総会における自社株取得に関する株主提案は否決されたが、11月に入り資本コストや株価を意識した経営の下で上限50億円の自己株式取得を公表するなど、経営に徐々に変化がみられる点を評価。今後の建築利益率、業績や株主還元の向上ペースは株式市場の期待よりも緩やかなペースと見込むが、それゆえに改善へのプレッシャーは強まり、中期的な変化につながりうるとみている。また、24年秋に本社再開発工事が竣工するなか、保有不動産の入れ替えなどによる資本効率の向上も期待でき、今後の施策と変化に注目したいとしている。
■ニトリホールディングス <9843> 17,295円 +185 円 (+1.1%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>は続伸。4日の取引終了後に発表した11月度の月次国内売上高で、既存店売上高は前年同月比8.5%増となり、4カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。テレビCM効果や気温の低下などにより、コタツや季節寝具寝装品の売り上げが好調に推移した。なお、全店売上高は同10.9%増だった。
■クスリアオキ <3549> 3,474円 +27 円 (+0.8%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス<3549>が3日続伸。4日の取引終了後に発表した11月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比11.0%増と18カ月連続で前年実績を上回り、3カ月連続で2ケタ増となったことが好感された。客数が同9.1%増となり牽引役となったほか、客単価も同1.8%増と上昇した。
■日本ゼオン <4205> 1,326.5円 +5.5 円 (+0.4%) 本日終値
日本ゼオン<4205>が3日ぶりに反発。午前10時ごろ、リチウムイオン電池の新たな電極製造法を確立したと発表しており、好材料視された。今回技術確立したドライ成形法は、現在最も一般的な手法である活物質や導電材などを塗料化し湿式塗工法で電極を作製するウェット塗工法と異なり、成形時に水や有機溶媒を使用せず電極を乾式で成形する手法。既に一部において、ドライ成形法が実用化されているが、今回同社が開発した技術は、正極及び負極両方の電極に適用可能で、かつ成形速度もウェット塗工法と同等以上を実現することができるのが特徴。また、電極の大規模な乾燥工程が不要となることで、CO2排出量の削減や設備投資額の減少に貢献することが期待できるとしている。
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株探ニュース