株価指数先物【寄り前】 中国格下げでショートが積み上がりやすい需給に
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32910 +130 (+0.39%)
TOPIX先物 2348.0 +5.0 (+0.21%)
シカゴ日経平均先物 32905 +125
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。前日に続き利益確定の売りが優勢となった。ただし、11月の米ISM非製造業景況観指数は52.7に上昇し市場予想を上回ったが、10月の米雇用動態調査(JOLT)の求人件数が2021年3月以来の低水準となり、利上げ局面は終了との観測が下支えした。米長期金利が3カ月ぶりの低水準を付けるなか、ハイテク株の一角が買われ、ナスダックは反発。S&P500業種別指数は電気通信サービス、テクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品が上昇した半面、家庭用品・パーソナル用品、エネルギー、素材が下落した。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比125円高の3万2905円だった。日経225先物(12月限)は日中比80円安の3万2700円で始まり、寄り付きを安値に買い戻され、3万2740円~3万2830円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にリバウンド基調を強め、一時3万2980円まで買われる場面も見られた。買い一巡後は3万2850円~3万2940円辺りでの膠着が続き、3万2910円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い優勢の展開が見込まれる。前日に2.6%超下落したエヌビディア<NVDA>は2.3%超の上昇となり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への下支えになりそうだ。ただし、日経225先物は25日移動平均線が位置する3万2880円処や、節目の3万3000円では強弱感が対立しやすいだろう。3万3000円を超えられずに、25日線水準での攻防が続くようだと、短期筋のショートを誘い込む可能性がある。
また、ボリンジャーバンドの+1σ、+2σなどは下向きで推移し、バンドが収斂してきている。-1σが位置する3万2190円処までの調整が意識されやすく、リバウンド狙いのロングは入りづらい。12月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えて、限月交代に伴うロールオーバーが中心となるなかでは機械的なヘッジ対応の動きが強まりやすく、戻りの鈍さがみられる局面ではショート優位となるだろう。
レンジとしては、オプション権利行使価格の3万2875円を中心とした上下の権利行使価格3万2625円から3万3125円を想定する。なお、米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、中国の信用格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたため、買い一巡後はショートが積み上がりやすい需給になりそうだ。
VIX指数は12.85(前日は13.08)に低下した。下向きで推移する25日線に上値を抑えられる形状を見せており、前日の下げに対する自律反発狙いの動きも意識されやすい。下へのバイアスが強まる局面では、売り一巡後のショートカバーを狙ったスタンスに向かわせよう。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.99倍に低下した。一時13.96倍まで下げており、同水準に位置する25日線にタッチした。同線が支持線として機能した形であり、いったんはNTショートを巻き戻す動きがありそうだ。ただ、中国市場の動向次第ではファーストリテイリング <9983> [東証P]辺りが日経平均型の重荷となる可能性がある点には注意が必要である。
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株探ニュース