NY株式:NYダウは70ドル安、景気減速を警戒
米国株式市場は下落。ダウ平均は70.13ドル安の36,054.43ドル、ナスダックは83.20ポイント安の14,146.71で取引を終了した。
民間部門の雇用者数の伸びが予想を下回り労働市場のひっ迫緩和で連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了観測が一段と強まり安心感から買われ、寄り付き後、上昇。その後、景気減速への警戒感に加えて、週後半に発表予定の雇用統計への警戒感などで買いが続かず失速した。終盤にかけて年初来最高値付近での高値警戒感などに利食い売りが優勢となり、相場は下落に転じ終了。セクター別では公益事業や耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、エネルギーが下落した。
銀行のシティグループ(C)は最高財務責任者(CFO)がトレーディング収入が低迷する公算が大きいが通期収入見通しを達成する軌道にあると確認、さらに、第4四半期の自社株買いプロブラムを発表し、上昇。高級住宅建設会社のトールブラザーズ(TOL)は四半期決算で、住宅ローン金利の低下で需要が回復し、1株利益が予想を上回るなど強い内容が好感され上昇した。また、ハンバーガーショップチェーンのシエイクシャック(SHAK)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。ファーストフードチェーンを運営するマクドナルド(MCD)は投資家説明会に先立ち2027年までに5万店舗展開する計画を発表し小幅上昇した。
一方、アルコール飲料メーカーのブラウン・フォーマン(BF/B)は四半期決算で売上低迷が影響し、1株利益が予想を下回ったほか、通期の既存事業純売上や業績予想を引き下げ、大幅下落。石油・天然ガス生産会社のエクソンモービル(XOM)は原油安で収益減を警戒し、売られた。半導体のエヌビディア(NVDA)は競合のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が新しくクライアント向けにAI(人工知能)性能を強化したシリーズを発表したため競争激化を警戒し下落。
ペット関連のオンライン小売チューイ(CHWY)は取引終了後に決算を発表し1株損失が想定以上に悪化したことが嫌気され、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》