話題株ピックアップ【夕刊】(1):アウトソシン、フリービット、東電HD
■アウトソーシング <2427> 1,453.5円 +300 円 (+26.0%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
アウトソーシング<2427>はストップ高。8日の取引終了後、MBOの一環として、米投資会社ベインキャピタル傘下のBCJ-78(東京都千代田区)が同社株の非公開化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格1755円にサヤ寄せする格好となった。株式市場からの短期的な収益改善圧力に左右されることなく、オーガニック成長の加速やグローバル規模での人材流動ネットワークの確立、グローバルにおける内部統制の強化を通じた経営の効率化などに取り組むのが狙い。買付予定数は1億2600万2664株(下限8396万1300株、上限設定なし)で、24年1月下旬をメドに公開買い付け開始を目指す予定。なお、TOB成立後、アウトソシンは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株式を12月8日付で監理銘柄(確認中)に指定している。
■フリービット <3843> 1,333円 +210 円 (+18.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
フリービット<3843>が急反騰。前週末8日の取引終了後、24年4月期の連結業績予想について、売上高を500億円から530億円(前期比13.3%増)へ、営業利益を50億円から55億円(同37.2%増)へ、純利益を25億円から30億円(同67.4%増)へ上方修正し、あわせて未定としていた配当予想を期末一括27円(前期8円)にすると発表したことが好感された。フリービットを中心とする5Gインフラ支援事業におけるMVNO向け支援事業(MVNE)の規模が拡大していることに加え、フルスピード及びその子会社の企業・クリエイター5GDX支援事業におけるアフィリエイトサービスの顧客獲得、5G生活様式支援事業におけるギガプライズ<3830>及びその子会社の集合住宅向けインターネットサービスの提供戸数などが順調に推移し、上期(5~10月)業績が想定を上回る着地となったことが要因としている。なお上期決算は、ギガプライズの決算期変更に伴い単純な前年同期比較はできないものの、売上高270億7300万円、営業利益30億7100万円、純利益19億8000万円だった。同時に、スマートフォン上で動作するレイヤ1ブロックチェーン「TONE Chain」を全株主に対して開放し、既存の株主優待に加えてスマホで簡単に動作する「株主NFT」の配布を今年度内に開始すると発表した。スマホ充電中に「TONE Chain」を動作させることで、「TONE Chain」のシーリング(マイニング)に参加し報酬を得ることができるとしている。
■鳥貴族ホールディングス <3193> 3,335円 +501 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率3位
鳥貴族ホールディングス<3193>は急反発。前週末8日の取引終了後に8~10月期決算を発表。売上高が前年同期比33.6%増の96億2600万円、営業利益が同12倍の7億5000万円と好調だったことから、これを好感した買いが入った。新型コロナウイルスの5類移行に伴い、消費活動に大きく持ち直しがみられたことが追い風となった。通期の増収増益見通しに変更はない。
■東電HD <9501> 891.6円 +113.8 円 (+14.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
東京電力ホールディングス<9501>が需給相場の様相を強め、10%を超える急騰で前週末に続いて連日の年初来高値更新となった。時価は2015年8月以来8年4カ月ぶりの高値に買われている。売買代金もプライム市場でレーザーテック<6920>に次ぐ高水準となっており、個人投資家など短期資金の参戦が一段と活発化していることをうかがわせる。同社の柏崎刈羽原発の再稼働に向けた動きが前進しているとの見方が強まるなか、短期マネーを誘導している。市場では「仮に柏崎刈羽原発が再稼働したからといって、東日本大震災時の原発事故に関する賠償負担などを考慮すると、同社のファンダメンタルズが急改善するとは考えにくい。だが、今は空売りを呼び込むことで踏み上げ相場に発展しつつある」(ネット証券アナリスト)と指摘する。同社株は日証金で貸借倍率が0.48倍と売り長で逆日歩がついた状態にあり、買い戻しを誘発しやすい。また、同社株だけではなく、周辺の原発関連株にも投資資金の流入が観測され、きょうは日本ギア工業<6356>が6%超高に買われるなど物色人気化している。
■カナモト <9678> 2,846円 +264 円 (+10.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
カナモト<9678>が3日ぶりに急反騰、一気に2800円台に乗せてきた。9月28日につけた年初来高値2758円をクリアし2カ月半ぶりに新高値圏に突入している。北海道を地盤に建設機械レンタルを主要事業とするが、営業エリアを関東にも広げるほか、海外展開にも注力している。同社が前週末8日取引終了後に発表した24年10月期の業績予想は、営業利益が前期比18%増の141億円と2ケタ増益を見込んでおり、これを好感する買いを呼び込んだ。建機のレンタル価格引き上げや稼働率の上昇などが業績を後押しする見通し。また、同日に90万株、金額ベースで20億円を上限とする自社株買いも発表しており、これも物色人気を助長する形となった。なお、同社は北海道を本拠とすることで、日の丸半導体新会社として注目を浴びるラピダス関連のプロジェクト特需も期待されている。
■トレファク <3093> 1,337円 +84 円 (+6.7%) 本日終値
トレジャー・ファクトリー<3093>は大幅反発。前週末8日の取引終了後に発表した11月度の月次単体売上概況で、既存店売上高が前年同月比11.2%増と27カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。月の前半に販売促進キャンペーンを実施したことや、月の中旬から気温が低下し冬物衣料や冬物家電の販売が好調だったこと、更にインバウンド顧客の拡大によりブランド品の販売が好調だったことなどが寄与した。なお、全店売上高は同21.1%増だった。
■マークラインズ <3901> 2,649円 +114 円 (+4.5%) 本日終値
マークラインズ<3901>が大幅高で3日ぶりに反発。前週末8日の取引終了後に発表した11月度の「情報プラットフォーム」契約企業数が、前月比51社増の5143社となり、顧客基盤が順調に拡大していることが好感された。「情報プラットフォーム」は、世界で運営する自動車産業のポータルサイト。主力は世界の自動車生産・販売、技術、部品などの情報をインターネット上で検索でき、また自社製品を完成車メーカーや部品メーカーにPRできるオンライン情報サービスで、国内外の完成車メーカーや部品、材料メーカーなど、自動車産業のサプライチェーンを形成する企業に採用されている。
■東京エレクトロン <8035> 23,005円 +765 円 (+3.4%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置の主力銘柄がいずれも切り返す展開。前週末の米国株市場では米長期金利は上昇したもののハイテク系グロース株は総じて堅調な値動きを維持し、エヌビディア<NVDA>やインテル<INTC>などをはじめ半導体セクターも買いが優勢だった。生成AI市場の拡大が加速度的に進むなか、マイクロソフト<MSFT>によるAI半導体の開発などが話題を提供しており、半導体分野に再び注目が集まっている。東京市場でも最先端半導体の設備投資に絡む製造装置メーカーなどの株価を刺激している。
■ソフトウェア・サービス <3733> 9,460円 +280 円 (+3.1%) 本日終値
ソフトウェア・サービス<3733>が4営業日ぶりに反発。同社は8日取引終了後、24年10月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比10.3%増の71億8900万円としていることや、期末一括配当計画を前期比10円増配の130円としていることが好感されたようだ。売上高は同8.0%増の364億800万円を見込む。受注残高が高水準なことに加え、保守サービスなどのストック収益も着実に伸びていることが主な理由だとしている。
■コーセー <4922> 10,630円 +250 円 (+2.4%) 本日終値
コーセー<4922>やセイコーグループ<8050>など大谷翔平選手とスポンサー契約を結んでいる銘柄が上昇している。米大リーグ(MLB)ロサンゼルス・エンゼルスからフリーエージェント(FA)になっていた大谷翔平選手が9日、ロサンゼルス・ドジャースと契約合意に達したと発表したことを受け、関連銘柄として物色されているようだ。また、野球人気の高まりを期待した買いによりアシックス<7936>やゼット<8135>なども高い。
株探ニュース