話題株ピックアップ【夕刊】(2):スルガ銀、南海電、三菱UFJ
■スルガ銀行 <8358> 817円 +18 円 (+2.3%) 本日終値
スルガ銀行<8358>が新値追い。同行はきょう、法人顧客を対象にクレディセゾン<8253>が提供する請求業務代行サービス「セゾンインボイス」の紹介業務を開始したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。このサービスは、BtoB取引における請求業務代行及びファクタリングサービスを一体して提供するもの。顧客はWeb上で取引情報登録するだけで、請求業務はすべてクレセゾンが行うという。
■南海電気鉄道 <9044> 2,878円 +56 円 (+2.0%) 本日終値
南海電気鉄道<9044>が反発。岩井コスモ証券は8日、同社株の投資判断を「B+」から「A」へ引き上げた。目標株価は3500円で継続した。同社の事業は運輸業を除けば、コロナ禍でも大きく事業を棄損することがなく、ほとんどの部分でコロナ前の水準に回復。24年3月期の連結営業利益も243億円から272億円(前期比29.4%増)に増額修正している。インバウンドからの追い風をベースに、不動産による着実な成長、未来探索による非連続的な成長を実現する可能性は高まっている、と評価している。
■三菱UFJ <8306> 1,280.5円 +23.5 円 (+1.9%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が値刻みこそ小幅ながら4日続伸と上げ足を強め、25日移動平均線を上回る水準で頑強な値動きをみせている。米国では足もと長期金利が下げ止まり、前週末は4.229%まで上昇した。FRBによる政策金利引き上げが終了したとの見方に変化はないものの、雇用指標などから足もとの米国景気の堅調さが確認され、債券市場では長期債の売りを誘った。これを受けて東京市場でも新発10年債利回りが、きょうは前週末取引時間中に続いて0.80%まで上昇、メガバンクなど銀行セクターにとっては運用環境の改善が意識されやすくなっている。
■ビックカメラ <3048> 1,264円 +23 円 (+1.9%) 本日終値
ビックカメラ<3048>は反発。前週末8日の取引終了後、子会社ソフマップが、OA機器や複合機などの買い取り・販売を手掛けるエーワン(埼玉県八潮市)の全株式を12月22日の予定で取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。エーワンは、関東、関西地方並びにECサイトでOA機器、複合機を中心とした業務用機器の買い取り、販売、保守、回収などのリユース事業を展開しており、ビックカメラグループとしては新たにオフィス機器のリユース商材を取り扱うことで、BtoB並びにリユース市場における更なる強化、シェア拡大ができるという。また、エーワンが強みとする理化学機器や測量機器など、より専門性が高いリユース商材の取り扱いが可能となり、法人取引による仕入れルートの拡充でも高いシナジーを期待しているとしている。
■アイル <3854> 3,310円 +45 円 (+1.4%) 本日終値
アイル<3854>が反発。同社は中堅・中小企業を主要顧客に販売在庫管理の基幹システム構築や保守サービスを手掛け、足もとの業績は好調を極めている。前週末8日取引終了後に発表した24年7月期第1四半期(23年8~10月)決算は、パッケージソフトの商品力強化に加え、販売面でもパートナー企業との連携強化による効果が発現し、営業利益が前年同期比57%増益と急拡大した。通期営業利益は前期比13%増の40億円を計画するが進捗率から上振れへの期待もある。株価面では好調な決算を評価する形で買いが集まった。
■ブロードリーフ <3673> 560円 +7 円 (+1.3%) 本日終値
ブロードリーフ<3673>が続伸。この日午前中、トヨタ自動車<7203>グループのトヨタモビリティパーツと、自動車整備業などのモビリティ産業を中心とした受発注業務の最適化サービス実現を目的に協業を開始することで合意したと発表しており、好材料視された。今回の協業は、ブロドリーフが開発・提供するデジタルビジネスプラットフォーム「Broadleaf Cloud Platform」と、トヨタモビリティパーツが提供する「トヨタならではの高品質なサービス」との連携により、安心・安全なカーライフの更なる促進と、最適なサービスを提供することが目的。具体的には、トヨタモビリティパーツを通じて行われる自動車部品の受発注に関する業務において、現在主流となっている「紙・電話・FAXを中心としたアナログ業務」を、ブロドリーフが有するIT技術と自動車整備業などのモビリティ産業の事業者のネットワークを活用することにより、効率化の実現と普及に取り組むとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,705.5円 +25 円 (+0.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は買い優勢。前週末は外国為替市場での急速な円高進行に伴う輸出採算の悪化が警戒され大きく下押したが、足もとでリバウンド狙いの買いが優勢となった。11月の米雇用統計発表を受けて米長期金利が上昇、ドル買い戻しの動きを誘発しており、1ドル=145円台まで円安方向に押し戻されたことから、自動車セクターも過度な不安心理が後退した。トヨタの24年3月期想定為替レートは11月1日の上期決算発表時に1ドル=141円に大幅に修正されたが、今回の円高局面でこの水準をブレークされる形で円高に進まなかったことが同社株のショートカバーを誘っている。
■霞ヶ関キャピタル <3498> 7,130円 -1,500 円 (-17.4%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率トップ
霞ヶ関キャピタル<3498>がストップ安。前週末8日の取引終了後、135万株の公募増資と20万株の株式売り出し、上限23万2500株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表。1株利益の希薄化と株式需給の悪化を懸念した売りが膨らんだ。公募増資の発行価格は18日から20日までのいずれかの日に決定する。調達資金約127億円(手取り概算額)は開発用地取得資金や開発資金、海外事業でのレジデンス物件取得資金に充てる。
■日本駐車場開発 <2353> 181円 -6 円 (-3.2%) 本日終値
日本駐車場開発<2353>が年初来安値更新。前週末8日取引終了後に発表した8~10月期決算は、売上高が前年同期比17.4%減の76億9100万円、営業利益が同24.0%減の16億8600万円だった。通期で増収増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点で減収減益となったことが嫌気されている。テーマパーク事業が減少したものの、駐車場事業とスキー場事業は堅調に推移し、この3事業全体では前年同期比で増加した。ただ、「その他事業」で前期に保有不動産売却による一過性の収益があった反動減があり、これが全体業績を押し下げた。通期見通しは据え置いた。
■ホーブ <1382> 2,565円 +500 円 (+24.2%) ストップ高 本日終値
ホーブ<1382>は大幅高。同社は8日取引終了後、セトラスホールディングス(香川県高松市)と、いちご新品種の品種登録共同出願を行い、受理されたと発表。これが材料視されたようだ。両社は2020年に、いちごの品種の共同開発に関する契約を締結し、高温環境下での栽培に適する新品種の開発を目指してきた経緯があり、このほど「せとペチカ」の名称で農林水産省に品種登録を出願。これにより、従来の冷涼な地域だけでなく、温暖で高温環境となる地域にも栽培エリアが拡大でき、近年の猛暑環境下でも安定生産が期待できるという。
株探ニュース