【投資部門別売買動向】海外勢が3週連続で売り越す一方、個人と信託銀は買い越す (12月第1週)
●海外勢が3週連続で売り越す一方、個人と信託銀は買い越す
東証が14日に発表した12月第1週(4日~8日)の投資部門別売買動向(現物)によると、植田日銀総裁の発言などを受けて急激に円高が進んだことが嫌気され、日経平均株価が前週末比1123円安の3万2307円と大幅に続落したこの週は、海外投資家は3週連続で売り越した。売越額は5868億円と前週の3687億円から拡大し、9月第3週以来の大きさだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で3週ぶりに買い越した。買越額は5231億円だった。現物と先物の合算では3週連続で売り越し、売越額は637億円と前週の4025億円から大幅に縮小した。
一方、個人投資家は2週連続で買い越し、買越額は4194億円と前週の456億円から急拡大し、9月第4週以来大きさだった。相場の大幅続落を受けて逆張り志向の強い個人は買い向かった格好だ。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行が2週ぶりに買い越し、買越額は1270億円だった。投資信託は2週連続で買い越し、買越額は724億円だった。
日経平均が大幅に続落する中、海外投資家が3週連続で売り越す一方、個人投資家と信託銀行は買い越した。
■投資部門別売買代金差額 (12月4日~8日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
12月 ―――
第1週 ▲5,868 1,270 4,194 [ 1,557 2,637 ] 32,307円 ( -1123 円)
11月 ―――
第5週 ▲3,687 ▲111 456 [ ▲612 1,068 ] 33,431円 ( -194 円)
第4週 ▲10 2,370 ▲894 [ ▲1,566 671 ] 33,625円 ( +40 円)
第3週 3,629 ▲238 ▲5,722 [ ▲5,068 ▲654 ] 33,585円 ( +1017 円)
第2週 783 ▲547 ▲2,545 [ ▲2,973 427 ] 32,568円 ( +618 円)
第1週 576 2,135 ▲3,868 [ ▲3,289 ▲578 ] 31,949円 ( +958 円)
10月 ―――
第4週 594 887 1,423 [ 485 937 ] 30,991円 ( -267 円)
第3週 ▲766 ▲1,343 3,236 [ 1,253 1,982 ] 31,259円 ( -1056 円)
第2週 4,557 ▲606 ▲1,508 [ ▲1,335 ▲173 ] 32,315円 ( +1321 円)
第1週 5,262 ▲577 4,011 [ 1,912 2,099 ] 30,994円 ( -862 円)
9月 ―――
第4週 ▲776 ▲3,678 5,734 [ 3,669 2,065 ] 31,857円 ( -544 円)
第3週 ▲9,131 ▲3,401 6,613 [ 3,603 3,009 ] 32,402円 ( -1130 円)
第2週 ▲2,781 ▲1,721 ▲3,459 [ ▲3,789 330 ] 33,533円 ( +926 円)
第1週 ▲7,625 ▲1,853 1,933 [ ▲298 2,231 ] 32,606円 ( -103 円)
8月 ―――
第5週 3,393 616 ▲9,226 [ ▲6,791 ▲2,434 ] 32,710円 ( +1086 円)
第4週 ▲2,046 218 ▲1,160 [ ▲1,808 647 ] 31,624円 ( +173 円)
第3週 ▲7,415 ▲1,067 3,558 [ 1,984 1,573 ] 31,450円 ( -1022 円)
第2週 1,799 ▲2,719 ▲2,395 [ ▲1,983 ▲411 ] 32,473円 ( +280 円)
第1週 188 ▲1,822 2,661 [ ▲370 3,032 ] 32,192円 ( -566 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース