来年のS&P500は5000との強気な見方 軟着陸でさらなる上昇の可能性も
NY株式13日終値
ダウ平均 37090.24(+512.30 +1.40%)
S&P500 4707.09(+63.39 +1.37%)
ナスダック 14733.96(+200.56 +1.38%)
CME日経平均先物 32605(大証終比:-225 -0.69%)
前日のFOMCを受けてダウ平均が最高値を更新するなど、米株式市場は楽観度合いを増している。その流れの中でストラテジストからも来年の米株式市場に対して強気な声も出始めているようだ。
S&P500は2024年に5000に達し、景気がソフトランディング(軟着陸)すれば、さらに上昇の可能性もあるとの指摘が出ている。今後1年間の利下げの可能性は株式にとって追い風だとしたうえで、FRBが景気後退なくインフレを抑制し、ソフトランディングを実現できれば、5000は保守的な水準となる可能性もあるという。今年は「破滅と栄光のシナリオ」で始まり、「慎重な楽観論」で終わりそうな気配だが、来年はそこからの転換が期待されるとしている。
ただ、市場はよりポジティブなシナリオで来年に向かおうとしているが、いくつかの重要な変数があるため、過度に強気にはなってはいないとも述べている。陶酔するには程遠いという。景気が減速する経済における企業業績の状況や、来年の米大統領選挙は逆風と指摘。米大統領選の年のリターンは通常、乏しい。
また、過去に景気後退が回避されたケースで、S&P500は利上げ終了後、最初の利下げから6カ月間に平均22%のリターンを記録しているという。今回もS&P500は最初の利下げから6カ月後までに20%超上昇する可能性があるとしている。企業利益は、継続的な拡大とコモディティ相場からの重圧の減少に助けられ、今年のほぼ横ばいから、来年には8%の増益へと振れることが見込まれるという。
ただし、コンセンサス予想では、経済活動の鈍化が予想されていることから、企業利益のさらなる拡大はないとし、期待されている利下げサイクルも市場予想に比べれば浅いものになると考えられ、利下げ時期も投資家の予想よりも遅くなる。それらから、来年の株式の上昇幅が制限される可能性は留意されるとも付け加えた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美