富田隆弥の【CHART CLUB】 「加速する円高、好転には3万3500円回復が条件」

市況
2023年12月16日 10時00分

◆13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は利上げサイクルの終了と来年の利下げを示唆した。その直後から米長期金利が急低下し、NYダウは大きく5日続伸、2022年1月高値の3万6952ドルを抜き史上最高値を更新した。パウエル議長からの少し早いクリスマスプレゼントとなった。

◆ただ、同時に為替相場(ドル円)ではドル安・円高が加速した。14日には一時140円95銭を付けて前日から5円近くも「円高」に振れた。日米金利差の縮小が要因だが、見逃せないのは前回の本コラムで指摘したように為替チャートの陰転と、そしてシカゴ・マーカンタイル取引所に上場するIMM通貨先物で投機筋による大量の「円売り」ポジションが滞留していることだ。つまり、売り方が買い戻しに動きやすく、さらなる円高(138~135円方向)を招く恐れは否定できない。

◆米国株と異なり日本株は、円高を背景に上値が重くなっている。日経平均株価は8日に3万2205円の安値をつけ、14日終値は3万2686円。日足チャートは割り込んだ25日移動平均線(14日時点3万3112円)を抜けぬままであり、「陰転」の気配が漂う。節税対策売りの出やすい師走でもあり、ここでの調整は「想定」されたシナリオでもある。

◆日経平均株価が好転の兆しを見せるには、「3万3500円」を回復することが必要だ。逆に8日安値の3万2205円を割り込むと二段下げとなって200日線(14日時点3万1221円)割れを模索しかねない。為替ともども昨年12月の展開と酷似しており、日経平均株価が好転の兆しを見せるまでは「様子見」も一策となる。ただし、来る2024年の躍進を想定するなら、年末年始の調整は「好機」になるだろう。

(12月14日 記、次回更新は12月23日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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