米国株式市場見通し:PCEコア価格指数やGDPに注目
季節的要因としての新年度に向けた買いや、米連邦準備制度理事会(FRB)の来年の利下げを織り込み、一段高となるだろう。短期金融市場は今週開催されたFOMCの予想外のハト派な内容を受けて来年の計1.5%程の利下げをすでに織り込んだ。金利安もハイテクを支え、相場を一段と押し上げそうだ。インフレは鈍化基調を維持すると同時に、労働市場の底堅さが支援し消費も依然堅調で、ソフトランディング期待も買い材料となるだろう。
来週はFRBがインフレ指標として注視している11月PCEコア価格指数でインフレの鈍化傾向をさらに確認していくことになりそうだ。市場平均エコノミスト予想で前年比+3.3%と、10月の+3.5%から伸びが一段と鈍化する見込み。予想通りとなると、21年4月来の低水準となり、インフレ鈍化のさらなる証拠になる。パウエル議長は会見でインフレが目標である2%に達するかなり前に利下げに転じる可能性を示唆しており、予想通りの結果となれば、来年の早期利下げの可能性を強め、相場を支援することになるだろう。
そのほか、12月コンファレンスボード消費者信頼感指数や7-9月期国内総生産(GDP)確定値も注目材料だ。GDPは5.2%成長が予想されており、来年の大幅な景気減速見通しは後退しつつある。年末にかけたクリスマスラリーを期待した買いも相場を一段と引き上げそうだ。
経済指標では、12月NAHB住宅市場指数(18日)、11月住宅着工件数・建設許可件数(19日)、11月中古住宅販売件数、12月コンファレンスボード消費者信頼感(20日)、7-9月期国内総生産(GDP)確定値、新規失業保険申請件数、11月景気先行指数(21日)
11月個人所得支出、PCEコア価格指数、11月耐久財受注、11月新築住宅販売件数、12月ミシガン大消費者信頼感指数(22日)、などが予定されている。
主要企業決算では、コンサルディングサービス会社のアクセンチュア、運送会社のフェデックス(19日)、食品会社のゼネラル・ミルズ、半導体のマイクロン・テクノロジー(20日)、スポーツ用品メーカーのナイキ、給与・人事関連アウトソーシングのペイチェックス、自動車販売のカーマックス、クルーズ船運営のカーニバル(21日)、などが予定されている。
フェデックスは競合のイエロー・コーポレーションの破綻の影響で需要が回復しており、結果に期待できそうだ。
エンターテインメントのディズニーは20日、中国、上海にアジアで最大テーマパークとなるズートピアランドをオープンする。アイガー最高経営責任者(CEO)も開会式に参加予定。今後の収益増に貢献できるかどうかが焦点になるだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》