ユーロ週間見通し:底堅い値動きか、ECBの早期利下げ観測は後退
■堅調推移、ECBによる早期利下げ観測は後退
今週のユーロ・ドルは堅調推移。米連邦公開市場委員会(FOMC)の経済予測を受けて、米国の利下げ観測が急速に高まり、ユーロ買い・米ドル売りが活発となった。12月14日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利の据え置きが決まったが、ラガルドECB総裁が「利下げはまったく議論しなかった」と述べたこともユーロ買い・米ドル売りを促した。取引レンジ:1.0742ドル-1.1009ドル。
「底堅い値動きか、欧米金利差縮小の可能性
来週のユーロ・ドルは底堅い値動きか。欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利の現状維持が決まったことから、早期利下げ観測は後退し、ユーロは売りづらい展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は2024年に複数回の利下げを行う可能性が高いため、欧米金利差の縮小が予想されていることもドル高を抑制する一因となりそうだ。
予想レンジ:1.0800ドル-1.1050
■弱含み、米ドル安円高進行の影響受ける
今週のユーロ・円は弱含み。日本銀行はマイナス金利の解除を急ぐ必要はないとの見方が広がり、週初はユーロ買い・円売りが優勢となった。しかしながら、米国の早期利下げ観測が広がったことによってドル売り・円買いが活発となり、この影響でユーロ・円の取引でもユーロ売り・円買いが拡大した。ただ、欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測は後退し、リスク回避のユーロ売り・円買いは週末前に一巡した。取引レンジ:153円87銭-157円68銭。
■底堅い値動きか、ECBの早期利下げ観測は後退
来週のユーロ・円は底堅い値動きか。ユーロ圏のインフレ鎮静化を想定してユーロ買いは縮小したが、欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測は大幅に後退し、リスク回避のユーロ売りがさらに強まる状況ではないとみられる。一方、日本銀行は従来の金融緩和策を維持する公算が大きい。このため、リスク選好的なユーロ買い・円売りの取引が大幅に縮小する可能性は低いとみられる。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・特になし
予想レンジ:153円00銭-157円00銭
《FA》