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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 12月17日版

市況
2023年12月17日 11時41分

日経平均は週明け後に下げるなら、一気に3万1000円以下を目指すか

1. NYダウは週明け後に反転下降するなら3万6000ドルの節目前後まで下げる公算

図1は、上段が NYダウの日足、下段が終値からその日の25日移動平均線の値を引いた乖離線です。

乖離線の1500ドル以上の水準は、2020年以前に表れたことのない高水準となっています。

2020年以降の上昇時でも、乖離線が1500ドルを超えた場所は「2020年2月、3月の暴落を経過した後の反動高となった場面」、「2020年の大統領選挙の結果を受けて、11月上旬に株価が急上昇を開始した場面」、「2022年6月~8月までの上昇時の最終段階」、「2022年10月から11月にかけての急上昇場面」と、現在です。

過去4回のケースを見ると、乖離線の1500ドル以上の地点は、大幅下げを経過した後の反動高を伴った反転の初期段階、一気に上げ幅を拡大した上昇の勢いが終息するときに表れています。

今回の乖離線の1500ドル以上の上昇が意味を持っているとするなら、現在は勢いの強い上昇の最終段階へ位置していると見ることができます。

乖離線には、終値が反転下降する場所を切り上げているにもかかわらず、乖離線が反転下降する場所を切り下げる動き、「逆行現象の弱気サイン」というものがあります。

弱気サインが表れる格好で、価格が下降を開始する場合、その下げは値幅を伴った動きになる可能性があります(過去にそういう動きが見られるという程度に考えておいて下さい)。

最近の乖離線は、12月1日と14日にそれぞれピークをつけて、反転下降水準を切り下げる動きになっています。乖離線の1500ドル以上が意識される格好になるなら、逆行現象の弱気サインをつける展開になって、価格は下降を開始すると考えられます。

この見方が正しければ、週明け後は前週末終値比プラスで引ける展開にならず、反転下降を開始すると考えられます(週明け後に上ヒゲの長い陰線をつけて、高値を更新してから上値を抑えられる可能性もあるので、15日の高値が戻り高値となって、下降を開始するという書き方をしていません)。

NYダウの12月の値動きのパターンを考慮すると、年末までの展開は、図1の赤と青の実線の2通りが考えられます。

赤の実線となる場合、目先は12月1日の安値3万5914ドル(現時点での12月の最安値)前後まで下げる展開になる公算です。その後、年末へ向けて積極的な下げの流れを作らずに、3万5914ドル前後の値位置が意識されて、下値を支えられる動きとなり、年末へ向けて再度上値を試す動きへ入ると考えられます。

赤の実線の展開になるなら、年末までの2週間で下げてから上がる動きが表れると考えられるので、目先の下げは勢いの強い動きとなって、一気に下値の目安を目指す展開になるはずです。

週明け後、価格が下げても下げ余地が限られるなら、月末まで下値堅く推移する展開を想定しておきます。

図1 NYダウの日足と乖離線

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