NY株式:NYダウは1ドル高、ハイテクが支える
米国株式市場は続伸。ダウ平均は0.86ドル高の37,306.02ドル、ナスダックは90.89ポイント高の14,904.81で取引を終了した。
12月住宅市場指数の改善でソフトランディング観測が強まり、寄り付き後、上昇。エネルギーセクターや会員制倉庫型卸売・小売会社のコストコホールセール(COST)の上昇も相場を押し上げた。一部連邦準備制度理事会(FRB)関係者が市場の早期利下げ観測に懐疑的見方を表明したものの、金利先安感が根強くハイテクが相場を支えたほか、年末にかけたサンタクロースラリーを期待した買いに、終日堅調に推移。終盤にかけダウは失速も連日で過去最高値を更新、相場はプラス圏を維持し終了した。セクター別ではメディア・娯楽、小売が上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落。
鉄鋼会社のUSスチール(X)は、日本製鉄が同社を1株55ドルで買収すると発表し、大幅高。写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)や動画配信のネットフリックス(NFLX)はアナリストの投資判断引き上げで上昇した。独立系石油・天然ガス会社のダイヤモンドバック・エナジー(FANG)や油田製品・サービス会社のベーカー・ヒューズ(BKR)は中東地政学的リスク上昇を背景とした原油高に連れ、上昇。一方、携帯端末のアップル(AAPL)は特許紛争を理由にスマートウォッチ最新モデル「シリーズ9」と「ウルトラ2」の国内販売を停止すると発表、年末商戦での売り上げにも影響を与えるとの懸念に売られた。
血中酸素センサー搭載機を巡りアップルが法廷闘争中の医療メーカー、マシモ(MASI)は上昇した。ソフトウエアメーカーのアドビ(ADBE)はフィグマと合併計画打ち切りで相互に合意したことが好感され、上昇。ザ・ノース・フェイスやティンバーランドといった衣料ブランドを運営するVF(VFC)はサイバー攻撃を受け年末商戦での売り上げに影響を与える可能性を警告し、下落。
シカゴ連銀のグールズビー総裁はCNBCとのインタビューで、先週開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後の市場の反応に困惑しており、インフレに著しい改善が見られるが、目標には程遠いとの見解を示した。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》