注目銘柄ダイジェスト(前場):KG情報、日ギア、リニューアブルJなど
日ギア<6356>:579円(+46円)
大幅続伸。原発関連の一角として人気化しているもよう。同社は歯車・減速機の専業大手だが、国内原発のバルブアクチュエーターでは90%以上のシェアを占めると推定されている。本日は原子力発電の関連市場に投資マネーが集まっているとの報道も伝わっており、刺激材料につながっているようだ。ウランの国際価格は16年ぶりの高値をつけるなど、脱炭素やエネルギー安全保障の強化に向けて、原発を再評価する動きが広がっているとされている。
KG情報<2408>:529円(-92円)
大幅反落。同社は20日締めの12月決算企業であり、本日は配当権利落ち日となっている。10月10日には年間配当予想を10円から30円にまで引き上げており、前日終値段階での配当利回りは4.8%の高水準となっていた。株価は足元高値圏で配当権利取りの動きも強まっていたとみられる中、権利落ちによる手仕舞い売りの動きが強まっているようだ。なお、同社では前期の配当性向は80%としている。
山陽特鋼<5481>:2645円(-218円)
大幅反落。日本製鉄が米USスチールの巨額買収を前日に発表している。これに伴い、日本製鉄による完全子会社化の動きが思惑視されていた同社などには、期待感が後退する展開となっているようだ。19年3月に日本製鉄は同社を子会社化し、今年に入って日本製鉄では非上場化を目的に日鉄物産のTOBを実施している。同社など日本製鉄子会社には、同様のTOB期待が高まっていたもよう。日鉄ソリュなども本日は売り優勢の展開。
ANYCOLOR<5032>:3265円(+210円)
大幅反発。発行済み株式数の1.43%に当たる90万株、25億円を上限に自己株式の取得を実施すると発表している。取得期間は12月19日から24年1月19日まで。資本効率の改善及び株式数削減を通じた1株当たりの株式価値向上を図ることが目的としている。同社の自社株買いは22年6月の上場後初めてとなる。自社株買い実施にはやや意外感があったこと、直近の株価下落で安値圏にあることから、ポジティブなインパクトが先行へ。
日本製鉄<5401>:3133円(-106円)
大幅続落。前日に米鉄鋼大手のUSスチールを買収すると発表している。買収額は約2兆円で、同社としては過去最大級のM&Aとなる。1株55ドルで全株式を取得予定、先週末の終値は39ドルで約4割のプレミアムとなる。買収資金は金融機関からの借入金で対応のもよう。今回の買収により、粗鋼生産量は世界3位の規模となるようだ。米国事業の強化を図ることが目的とみられるが、巨額買収による負担増を警戒する動きが先行している。
リニューアブルJ<9522>:1066円(+127円)
大幅に8日続伸。23年12月期の営業利益予想を従来の33.00億円から35.00億円(前期実績12.89億円)に上方修正している。太陽光発電所の売却契約締結で発電所売却収入が当初計画を上回るほか、売電事業等が上振れる見通しとなったため。また、株主優待制度を新設する。23年以降の12月末、6月末に700株以上を保有する株主を対象にグルメやスイーツなど5000種類以上の商品と交換できる優待ポイントを保有株数に応じて贈呈する。
ジャパニアス<9558>:2746円(+241円)
大幅に5日続伸。23年11月期の営業利益予想を従来の7.47億円から8.36億円(前期実績6.11億円)に上方修正している。企業や官公庁によるITインフラ整備やDXへの積極的な投資が継続しており、先端エンジニアリング事業でオンサイト型開発支援業務や受託開発業務が好調に推移する見通しとなっているため。併せて期末配当予想を従来の71.00円から77.00円(前期末実績55.00円)に増額修正している。
サイエンスアーツ<4412>:572円(+65円)
大幅に3日ぶり反発。PTT(Push-To-Talk)通信の音声通話でのテキスト化及び翻訳通信技術の基本特許を中国・欧州に続いて米国で取得したと発表している。デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の機能及び音声テキスト化、トランシーバー翻訳に関する特許で、今回の特許登録で主要各国での特許取得は概ね完了したという。24年中に米国で発売を開始し、欧州やその他の国々へ展開する。
《ST》