話題株ピックアップ【夕刊】(2):日触媒、日本製鉄、オートバクス
■日本触媒 <4114> 5,280円 +20 円 (+0.4%) 本日終値
日本触媒<4114>が反発。18日の取引終了後、24年3月31日を基準日として1株を4株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上や投資家層の拡大を図ることが目的という。効力発生日は4月1日。
■日本製鉄 <5401> 3,148円 -91 円 (-2.8%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
日本製鉄<5401>は売りに押される展開。同社は18日取引終了後、米鉄鋼大手USスチール<X>の買収を発表した。買収金額は日本円にして約2兆円に及ぶ巨額のM&Aであり、日本製鉄としても過去最大の買収規模となる。電気自動車(EV)に使う高機能鋼材などの需要増勢を背景に、経済安全保障の観点からも日米で足並みを揃えた供給体制の確保に努める構えにある。日本製鉄では今回の買収による業績への影響は11月に公表した24年3月期の業績予想には織り込んでいないとし、現在精査中としている。日米鉄鋼業界の老舗同士の大型再編はサプライズといえるが、日本製鉄にとって2兆円という巨額買収に伴う財務面での負担に警戒ムードも漂っており、足もとの株価は弱気が優勢となっている。
■オートバックスセブン <9832> 1,537.5円 -12 円 (-0.8%) 本日終値
オートバックスセブン<9832>が5日続落。18日の取引終了後、早期退職優遇制度を実施すると発表したことが嫌気された。24年3月末時点で満50歳から57歳かつ正社員として勤続10年以上の社員が対象で、募集人数は100人。優遇措置として今後のキャリアに向けた支援金を支給するほか、希望者に対して再就職支援会社を通じた再就職支援を行うという。なお、費用については24年3月期に特別損失に計上する予定としており、業績への影響は応募状況を精査のうえ、影響がある場合は確定次第発表するとしている。
■大阪製鐵 <5449> 2,187円 -15 円 (-0.7%) 本日終値
大阪製鐵<5449>と山陽特殊製鋼<5481>が急落した。日本製鉄<5401>が18日、同業の米USスチール<X>を買収すると発表した。買収額は141億ドル(約2兆円)に上る。巨額買収の発表により、日本製鉄<5401>の子会社である大阪製鉄と山陽鋼に対しては、親子上場の解消に向けたTOB(株式公開買い付け)の可能性が低下したと受け止められたようだ。日鉄ソリューションズ<2327>も軟調に推移している。
■関西電力 <9503> 1,904円 -9 円 (-0.5%) 本日終値
関西電力<9503>が4日続落。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「和歌山市で計画していた火力発電所の建設を中止する方針を固めた」と報じられており、これが売り材料視された。記事によると、原子力発電所の再稼働で電力の供給能力を確保できていることから、二酸化炭素(CO2)を排出する火力の新設の必要性が薄まっていたことに加えて、原発の再稼働で収益力が高まったことで、水素や原発など脱炭素につながる電源の運用・開発に経営資源をシフトするという。この記事に対して会社側では、「当社が発表したものではない。和歌山発電所については、需要低迷などの要因により04年に建設工事を中断しており、今後の計画の進め方については決まり次第発表する」とのコメントを出している。
■ショーケース <3909> 376円 +80 円 (+27.0%) ストップ高 本日終値
ショーケース<3909>はストップ高。同社はこの日、ソフトバンク<9434>傘下のSB C&Sと売買契約を締結し、企業と顧客をつなぐプラットフォーム「おもてなしSuite」の導入拡大を推進していくと発表。これが買い材料視された。今回の契約締結により、SB C&Sが持つ全国約1万3000社の販売パートナーとソフトバンクのグループ企業と連携しながら、おもてなしSuiteのDXソリューションを中心に導入拡大を進めていく。
■雨風太陽 <5616> 1,422円 +300 円 (+26.7%) ストップ高 本日終値
雨風太陽<5616>がストップ高。18日に東証グロース市場に新規上場し、公開価格1044円を276円(26.4%)上回る1320円で初値をつけた。終値は1122円と初値を下回って引けたものの、直近IPO銘柄ならではの上値抵抗の少ない銘柄として物色の矛先が向かったようだ。
■CaSy <9215> 965円 +150 円 (+18.4%) ストップ高 本日終値
CaSy<9215>がストップ高。19日付の日刊工業新聞が、「経済産業省は人手不足対策として、企業が従業員へ家事支援サービスを導入する取り組みを後押しする」と報じた。家事代行サービスを手掛けるCaSyに対しては、業績面でのプラス効果への思惑が広がる形となり、買いが入ったようだ。報道によると、家事支援サービスを手掛ける企業と福利厚生で同サービスを利用する企業が協力する際に、経産省が支援する方針。早ければ24年2月から実証実験を始めるという。
■Birdman <7063> 1,036円 +150 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値
Birdman<7063>が後場に急伸した。19日、世界的トップアーティストグループ「SUPER JUNIOR」に所属するウニョク氏をプロデューサーに迎え、K-POPボーイズグループを結成すると発表した。バードマンに所属し、幅広いジャンルで多彩な才能を発揮しながら活躍するアーティストを目指す。来春のデビューまでの経緯を、フジテレビが放映する「K-POP HOUSE」内で密着するという。今後の事業への好影響を期待した買いが集まったようだ。
■ジャパニアス <9558> 2,830円 +325 円 (+13.0%) 本日終値
ジャパニアス<9558>が5連騰。18日の取引終了後、集計中の23年11月期単独業績について、売上高が従来予想の95億5900万円から98億8500万円(前の期比18.8%増)へ、営業利益が7億4700万円から8億3600万円(同36.8%増)へ、純利益が5億7100万円から6億1600万円(同39.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。企業及び官公庁によるITインフラ整備やDXへの積極的な投資が継続しており、第4四半期も先端エンジニアリング事業においてオンサイト型開発支援業務及び受託開発業務が好調に推移する見通しであることが要因としている。なお業績上振れに伴い、71円を予定していた期末一括配当を77円(前の期55円)にするとあわせて発表した。
株探ニュース