タメニー Research Memo(5):2022年オリコン顧客満足度(R)調査「格安ウエディング」総合ランキング1位
■タメニー<6181>の事業概要
3. カジュアルウェディング事業
カジュアルウェディング事業の主要サービスは、カジュアル挙式披露宴プロデュース「スマ婚」シリーズ、フォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」、結婚式二次会プロデュース「2次会くん」である。
カジュアル挙式披露宴プロデュース「スマ婚」シリーズは、予算内で高クオリティな結婚式をしたいという要望に応じて、安く・美しく・自由なカジュアルウェディングをプロデュースする。全国約250の提携会場での挙式披露宴をプロデュースし、当日の運営は挙式披露宴会場のスタッフが行う。提携会場の日程の空き枠の有効活用や、アイテムの大量発注・自社内製などで価格を抑制するため、一般的な挙式披露宴費用327.1万円(出所:ゼクシィ結婚トレンド調査2023)に対して、「スマ婚」の平均費用は約200万円となっている。2022年8月には2022年オリコン顧客満足度調査「格安ウエディング」総合ランキングで「スマ婚」が第1位を獲得した。
従来の「たくさんのゲストを招待して挙式+披露宴を行う」形式だけでなく、「本当に大切な人に感謝を伝えるための小規模な結婚式を行う」形式に対する新郎新婦のニーズが高まっていることに対応して、新たなプラン・サービスの企画開発・提供も推進している。2021年11月には「スマ婚少人数挙式ライトプラン」を開始、2022年2月にはスマ婚少人数挙式と家族写真(和装後撮り)をセットにした「スマ婚フォト+挙式」を開始、2023年1月には新郎新婦が思い描く美しさとおもてなし演出のイメージを叶える「スマ花フラワー&テーブルコーディネート」の提供を開始した。今後も多様化するニーズに対応して様々なプラン・サービスを拡大していく方針だ。
フォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」は全国6ヶ所のフォトスタジオなどにおいて、フォトを主軸としたウェディングを行っている。理想の花嫁姿を写真に残したいという要望に応えて、洗練されたスタジオセット、格式高いチャペルや邸宅などの本物のロケーション、最先端のフォトレタッチ技術により美しい花嫁姿を実現する。プロデュース・撮影費用は平均約30万円となっている。一般的な挙式披露宴費用の約10分の1の予算で「結婚式よりも、結婚式らしい」体験ができる。また「和装前撮り特別プラン」など付加価値サービスを追加することで、平均単価の上昇傾向にあるようだ。
フォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」を運営するタメニーアートワークス(2023年3月に吸収合併)は2020年11月にブライダル事業のエスクリ<2196>と業務提携した。首都圏のみで提供していたフォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」の撮影会場にエスクリの高クオリティなチャペルや会場が加わり、全国展開が可能になった。2021年12月には、婚礼衣装の企画・製造販売を展開(本場英国の上質なウェディングドレス等のドレスショップを全国73店舗展開)するフォーシス アンド カンパニーと資本業務提携した。結婚式の決定要因として重要な役割を担う婚礼衣装を強化する。2022年12月には、現代での家族の形を、写真を通して記憶し続ける「アニバーサリーフォトプラン」と「ワンモアフォトプラン」の提供を開始した。それぞれ、ライフステージごとの記念を形に残したい層や、もう一度ドレスを着て2回目の撮影を楽しみたい層を取り込んでいく方針だ。
なお、フォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」については、競争激化や挙式披露宴型に回帰する動きの影響などが見られるため、今後は稼働率上昇や単価上昇に向けた施策を強化する。また当面は自前の新規拠点開設を見送り、ホテルや結婚式場などフォトウェディングを強化したい事業者向けにノウハウを提供し、コンサルティングや共同運営などを推進する方針だ。2023年6月にはフォトウェディングブランド「studio LUMINOUS」が日本初※のLGBT向けパートナー紹介サービス「リザライ」を運営する(株)リザライと提携した。また2023年7月にはフォトウェディングスタジオ「LUMINOUS Odaiba」をリニューアルオープンし、3つのスタジオセットを新設して和装撮影も可能にしたところ、問い合わせ件数がリニューアル前に比べて20.2%増加した。
※リザライ調べ。
結婚式二次会プロデュース「2次会くん」は二次会幹事代行サービスである。プロのプランナーによるプロデュースで、飲食店など全国480以上の提携会場からニーズに合わせて会場を紹介し、当日はプロの幹事・運営スタッフを会場に派遣(飲食は会場に委託)する。平均費用は約40万円となっている。
カジュアルウェディング事業の事業KPIの状況は以下の通りである。カジュアル挙式披露宴プロデュース「スマ婚」シリーズはコロナ禍の影響で成約件数、施行件数とも大きく落ち込んだが、2023年3月期はコロナ禍の影響が和らいで成約件数が前期比21件増の695件と増加に転じた。結婚式二次会プロデュース「2次会くん」も同様にコロナ禍の影響を受けたが、2023年3月期の成約件数が同481件増の961件となり、「スマ婚」シリーズよりも回復基調が早くなっている。フォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」については、競争激化や挙式披露宴型への回帰の動きなどにより伸び悩む形となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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