日本製鉄によるUSスチール買収、米民主党議員が大統領に阻止要請=米国株個別
(NY時間13:40)(日本時間03:40)
USスチール<X> 47.96(-0.42 -0.87%)
米民主党の議員3人がバイデン大統領に対し、日本製鉄によるUSスチール<X>買収を阻止するよう要請した。ブルームバーグが伝えた。バイデン政権に対し今回の買収計画の精査を求める圧力が強まっている。ぺンシルベニア州選出のケーシー上院議員、フェターマン上院議員、デルジオ下院議員はイエレン財務長官に宛てた書簡で、今回の取引を対米外国投資委員会(CFIUS)が審査し、阻止すべきだと記している。
ペンシルベニア州は来年の米大統領選における重要な激戦州で、USスチールが本社を構える。イエレン長官はCFIUSの議長を務めている。
書簡で3議員は「CFIUSは外国企業によるUSスチール買収を阻止すべきだ。特に複数の米企業から買収案が示されていたことを考慮すればなおさらだ。米企業であれば、安全保障上の懸念を引き起こさない」と指摘。「鉄鋼は米国の国家安全保障の点で極めて重要だ。米国を代表する鉄鋼会社は米国の所有下にあり続けるべきだと考えている」と続けた。
また、カリフォルニア州選出のカンナ下院議員も、「バイデン大統領は、労働組合の雇用に打撃を与えるとしてこの取引への反対を表明し、CFIUSのプロセスの下で取引を精査するよう政権に指示すべきだ」と述べた。
共和党議員からも同様の要請が出ている。バンス、ホーリー、ルビオ上院議員はイエレン長官に宛てた書簡で、CFIUSは「日本製鉄によるUSスチール買収の阻止が可能であり、阻止すべきだ」と記した。
ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は20日、「規制当局による何らかの精査が恐らくあるだろう」と述べるにとどめた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美