NY株式:NYダウは322ドル高、早期利下げ期待強まる
米国株式市場は反発。ダウ平均は322.35ドル高の37,404.35ドル、ナスダックは185.92ポイント高の14,963.87で取引を終了した。
昨日の大幅反落の反動で、寄り付き後、上昇。7-9月期国内総生産(GDP)・個人消費、価格指数確定値の予想外の下方修正を受け、来年の利下げ観測が強まり、一段の上昇につながった。同時に、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少し労働市場の底堅さが証明され、長期金利上昇で上値も限定的となった。ただ、半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)やクルーズ船運営のカーニバル(CCL)などの良好な決算を好感し下値も底堅く、終盤にかけて上げ幅を拡大し、終了。セクター別では自動車・自動車部品や半導体・同製造装置が上昇した。
電気自動車(EV)メーカーのテスラ(TSLA)は著名投資家のウッズ氏が運営するアーク・インベストメントによる同社株購入が明らかになったほか、当局が中国のEVに対する輸入関税率の引き上げを検討しているとの報道で、買われた。航空機メーカーのボーイング(BA)は787型機を2019年来で初めて中国の航空会社に納入したことを確認し、上昇。 クルーズ船を運営するカーニバル(CCL)は決算で、需要が強く24年度通期調整後1株利益見通しが予想を上回り、上昇した。同業のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)やノルウェージャンクルーズライン・ホールディングス(NCLH)もそれぞれ連れて上昇。
半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)も昨日引け後に発表した好決算を好感し、大幅高。同業のエヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(ADM)もそれぞれ上昇した。オンライン自動車販売のカーマックス(KMX)は第3四半期決算で、価格設定やコスト削減が奏功し、調整後の1株利益が予想を上回り、上昇。一方で、給与・人事関連アウトソーシング・ソリューションを提供するペイチェックス(PAYX)は四半期決算で売上が予想に満たず、売られた。また、メディアのワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)やパラマウント・グローバル(PARA)は合併により両社の財政状況を悪化させる可能性が強いとのアナリストの悲観的な分析を嫌気しそれぞれ下落。携帯端末のアップル(AAPL)は特許紛争を受け当局の輸入禁止命令に伴いアップルウォッチ新型2機種のオンラインストアでの販売を停止したため、売られた。
スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)は取引終了後に四半期決算を発表。見通しが弱く、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》