フーシ派による紅海での船舶攻撃、イランが情報提供で支援
イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海を航行する船舶を攻撃している問題を巡り、イランの準軍事組織がフーシ派にリアルタイムで情報提供を行い支援しているとの見方を西側や現地の当局者らが示している。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。フーシ派はこうした情報を使い、ドローン(無人機)やミサイルで船舶を標的にしているという。
当局者らによると、イランの準軍事組織が管理する紅海上の監視船は船舶の追跡情報を収集してフーシ派に伝え、フーシ派はそれを利用してバベルマンデブ海峡を通過する商船を攻撃している。
米国防総省は今週、紅海を航行する商船を守るための多国籍部隊を創設する計画を発表した。一方、世界の海運や石油大手などは貨物輸送で紅海ルートの迂回に動いており、石油価格や保険料の上昇を招いている。
紅海を航行する船舶の多くは航路を追跡されないよう無線を無効にしているものの、紅海上のイラン船舶はフーシ派が高い精度でドローンやミサイルで船舶を標的にすることを可能する役割を果たしていると当局者らは語る。
イランの国連代表部はコメントの要請に応じず、フーシ派の報道官も、攻撃においてイランの支援に頼る必要はないと否定していた。
ある西側の安全保障当局者は「フーシ派は船舶を標的にするレーダー技術を持っていない」とし、「彼らはイランの支援を必要とする。支援がなければ、ミサイルは海に落下するだけだ」と述べた。米国家安全保障会議(NSC)はいまのところコメントの要請に応じていない。